【イングランド】復帰戦で勝利に貢献した香川真司「ここで生き残っていく」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

WBA戦に先発、勝利に貢献した香川WBA戦に先発、勝利に貢献した香川 12月29日、マンチェスター・ユナイテッドの香川真司が、WBA(ウェスト・ブロムイッチ・アルビオン)戦で、10月23日のチャンピオンズリーグ・ブラガ戦以来となる公式戦復帰を果たした。それもいきなりの先発起用という形で、だ。前半9分には相手オウンゴールによる先制点を演出。その後も右から好クロスをあげ、後半には決まりこそしなかったがシュートも放った(結果は2-0)。

 それでも試合後の本人の表情は意外なほど厳しかった。

「新加入選手にとってケガが一番イヤだって感じてます。だからこの2ヵ月、すごく辛かったですし、そういう意味では復帰できたのはよかったと感じました。プレイ内容がどうこうというよりも、まず復帰できてこのピッチにたてたことが良かったのかなと思います」

 自身のプレイ内容については認める気配は全くなかった。
 
 この試合、ファーガソン監督はシステムをここ3戦続けて採用していた4-4-2から、開幕当初の4-2-3-1に戻した。これはルーニーがケガで離脱したことや、ファン・ペルシーの疲労を考慮しベンチスタートとしたことも理由だろう。だが、エース2人が外れたからといって決して4-4-2が組めないわけではない。 むしろ4-4-2のほうが慣れている選手のほうがこの日の先発にも多いはずだ。あえて行なったシステムチェンジは何よりも香川を生かすためといっていい。もちろんそのトップ下は香川自身も「一番やりやすい」と言うポジションだ。そうやって指揮官は香川の復帰戦をお膳立てしたのだ。

 ファーガソン監督が「ハードワークしてくれた」と称えるように、香川は序盤からピッチを駆け回った。これまでであれば、ボランチからの配球が少なく、引いてボールにさわり、ゴール前へ入るタイミングが遅れるという苦しいシーンが多かった。だが、この日に限っては高い運動量が広いエリアで発揮され、高い位置からラストパスを出すシーンが目立った。

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