【ドイツ】シャルケ決勝T進出。内田篤人「このチームは我慢ができる」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

「チャンピオンズリーグの戦いだけに関していえば、一昨年ベスト4までいったときのほうが安定していた。ラウルとかもいたし、勢いに乗ったら強かった」

 チャンピオンズリーグに関して、とわざわざ限定するのは、対戦相手のレベルが高く、一発勝負の集中力が必要になるからだ。当時を思い返しても、大舞台になればなるほど、相手が強くなればなるほど発揮されるラウルの圧倒的な経験値と集中力は、若く経験の浅い選手たちをぐいぐいと引っ張っていった。確かに当時のチームには勢いがあった。

 現在のチームには当時ほどのビッグネームはいない。ラウルは今季からカタールのアル・サッドでプレイ。シャルケの顔でもあったGKノイヤーは昨季からバイエルンでプレイしている。それでも欧州16強まではたどり着いた。

「今年のチームは我慢ができる。地力、負けない感がある」(内田)

 勢いに任せて勝つことはできないが、少しずつ我慢するうちに、どうにか得点が入る。この日の試合もその典型のようだった。また、今年のチームには一昨年はなかった経験値がある。

「ベスト4を経験している選手がほとんどだから。グループリーグからその次のステップへ、という流れを分かっている。経験は大きいと思う。決勝トーナメントに入ったらどことあたっても一緒。どこも強いから」(内田)

 16強レベルの強さを肌で知っていることは大きな強みだろう。内田はここから先の戦いこそ、楽しみにしていたと言う。

「もう一度あそこ(準決勝)まで行きたいし、できればもうひとつ上に行きたい」と語る表情は楽しげだ。決して華やかとはいえない今季のシャルケだが、一昨年と同じベスト4を目指す戦いが、年明けから始まる。

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