2012.11.13

【スペイン】バレンシア、マラガ、アトレティコ…欧州サッカー活気の源泉

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

チャンピオンズリーグ、バテ戦で2ゴールをあげたフェグリ(バレンシア) バルセロナ、R・マドリードを10とすれば、その他は5以下。リーガエスパニョーラは多くのチームの予算規模が横並びするJリーグとは対極の関係にある。もっと言えば、このような特徴を持つリーグは、世界的に見ても珍しい。ひと言でいえば「2強」だが、その表現では不十分。その他とどれほど開きがあるか伝わりにくい。

 2強を追う3番手として知られるバレンシアを先日、チャンピオンズリーグ観戦のために訪れたのだが、2強との差をまざまざと見せつけられることになった。まず何よりメンバーが地味。知名度の高い選手がほとんどいない。そして極めつけは「メスタージャ」。チャンピオンズリーグの本戦にコンスタントに出場するチームのスタジアムで、ここまで老朽化が進んでいるものも珍しい。軽く10年以上、どこかに手が加えられた跡が見当たらないのだ。クラブにお金がないことはこのスタジアムの姿を見れば一目瞭然。実際、バレンシアは、年俸の高い選手を次々と売りに出している。ビジャ、フアン・マタ、ジョルディ・アルバ等々、である。

 スペインの4番手として、チャンピオンズリーグ本戦を戦っているマラガも今シーズン前、資金繰りに苦しんでいた。スペインリーグへの参加さえ危ぶまれるほどの財政難に陥っていた。

 かつてチャンピオンズリーグを席巻したデポルティーボ・ラコルーニャは、03~04シーズン、ベスト4に進出した後、チーム力を急速に低下させた。スペインリーグ2部にまで転落することになったが、これがある程度、意図的なものだったことは、後の取材で知らされることになった。

 ラコルーニャはガリシア地方というスペインの外れに位置する人口25万人の港町。チャンピオンズリーグベスト4は、街やクラブのサイズを考えると快挙と言えた。大きな成功例として称賛されたが、クラブはそれ以上、規模を拡大させようとしなかった。「あのときもう2、3人選手を補強することができたら、それ以上の成績を狙える可能性はあった」と語ったのは当時の監督、ハビエル・イルレタだが、クラブは監督の要望を拒否した。「我々の体力では欧州戦線を戦い続けることは困難」と判断。拡大路線を断念し、健全経営路線に舵を切った。