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【イタリア】八百長疑惑でユベントス監督コンテはどうなる?

  • 内海浩子●文 text by Uchiumi Hiroko
  • photo by GettyImages

プレシーズンマッチのミラン戦で指揮をとるコンテ監督 プレシーズンマッチのミラン戦で指揮をとるコンテ監督  昨年、八百長が発覚したイタリアでは、公的機関である地方検察による司法捜査が続けられている。

 その一方で、イタリアサッカー連盟(FIGC)も"サッカー界"での処分を下すべく別途に調査を進めているのだが、開幕1ヵ月を前に大きな動きが出た。7月26日、取り調べを担当しているFIGCの検察部が同連盟の規律委員会へ、処分を求めて13チーム、44人のリストを提出したのである。

 そしてその中に昨季のセリエA優勝監督、ユベントスのアントニオ・コンテの名前があった。シエナ監督時代に八百長試合があったという疑いをかけられているのだ。

 だが、だからすなわちコンテが黒、というわけではない。これは国の司法の裁き方とは異なるFIGCの"処分方法"にある。

 有罪無罪を決める一般の裁判では、告発側が立証しきれなければ証拠不十分で被疑者は不起訴となることがほとんどだ。事実、コンテの場合も八百長捜査を進めている地方検察は彼を不起訴とする可能性が高いと言われている。

 ところがサッカー界の裁き方はこの真逆。被疑者が嫌疑を覆(くつがえ)す証拠を提出できなければ、「無実」とは扱われないのである。コンテの場合、カロッビオ(シエナの選手)の証言によって被疑者となったのだが、それが事実ではないことを逆証するのは容易ではない。コンテの弁護士はその場にいたとされるシエナの選手やスタッフの証言を集めて提出したが、決定的証拠にはならない。なぜなら彼らの証言は自己擁護とも取りうるからだ。

 そこで弁護側はカロッビオとコンテの関係が良好ではなかったことを持ち出した。出産間近の妻を見舞うための外出許可をコンテがカロッビオに認めず、それが理由で両者の妻同士が口論になったことなどを"証拠"として提出し、個人的感情から出た証言である可能性を検察側に示したのである。

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