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バルセロナの秘密~グアルディオラが成し遂げた革新とは何か

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki
  • photo by Getty Images

チャンピオンズリーグ準決勝チェルシー戦の前日会見に臨むグアルディオラ監督チャンピオンズリーグ準決勝チェルシー戦の前日会見に臨むグアルディオラ監督【サイモン・クーパーのフットボール・オンライン】バルセロナの戦術(前編)

 バルセロナがすばらしいチームであることは、みんなが知っている。わからないのは、どうしたらあんなにすばらしいチームをつくれるかだ。

 そこで登場するのが、僕の友人アルベルト・カペラスだ。ヨーロッパのどこかで彼と一緒になることがあると、僕らは決まってバルサの話をする。バルサについて彼以上に詳しい人物は、それほどいるものではない。

 いまカペラスはオランダのフィテッセでコーチをしているが、以前はバルセロナの誇るユースアカデミー「マシア」のコーディネーターだった。セルヒオ・ブスケツという名の少年を、貧しい田舎町からバルセロナに連れてきたのは彼の功績だ。ユースチームではアンドレス・イニエスタやビクトル・バルデスも鍛えた。彼自身の故郷のクラブでもあるバルサで、カペラスは9年間にわたって仕事をした。

 最近カペラスに会ったのは、フィテッセの本拠地アーネムのホテル。このときエスプレッソを飲みながら話していて、「そうだったのか!」という気づきが何度もあった。僕はジョゼップ・グアルディオラが監督として率いるバルセロナの試合を数えきれないほど見てきたが、このチームが本当にやっていることがようやく見えはじめた。

 グアルディオラのバルセロナがすばらしい理由は、すばらしい選手たちがいることだけではない。彼らはすばらしい戦術もそなえている。現在のどのチームの戦術とも違うし、グアルディオラ以前のバルセロナとも違う。今のバルセロナはピッチ内の約束事がとてもしっかりしており、サッカーよりもアメリカンフットボールのチームのようだ。

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