【ドイツ】香川「いっぱいいっぱい」も、ドルトムント連覇へ王手

  • 了戒美子●文 text Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

マッチアップする香川と内田。香川はフル出場、内田は後半41分に退いたマッチアップする香川と内田。香川はフル出場、内田は後半41分に退いた  ドルトムントにとってこの1週間は非常に大きな意味を持っていた。水曜日に第30節で2位バイエルンと対戦、土曜日には3位シャルケと戦う。勝ち点差を考えると大一番となるバイエルン戦には全国的な注目が集まり、通称ルールダービーと呼ばれるシャルケ戦では、地元からサッカーの試合を超える期待を受けた。

「最高のコンディションで臨みたい。とても楽しみにしている」と、この2試合に向けた香川真司のコメントは、シンプルでストレートなものだった。

 しかし、ふたをあけてみればこの2戦のパフォーマンスを手放しで褒めることは難しい。バイエルン戦では、相手ボランチに寄せられると自分のペースでボールが持てなくなった。クロップ監督は攻撃色を強めるための布陣変更にともなって香川を下げた(結果は1-0)。

 そのバイエルン戦からわずか中2日で迎えたシャルケ戦。過密日程による疲労、後半戦の連勝中にチームを背負ってきたプレッシャーの重さ、そして来季以降の動向に関する注目......。メンタルもフィジカルも、本人は「いっぱいいっぱい」だったと認める。それはちょうどこのタイミングで限界に達しようとしているようだった。

 香川はこの日もトップ下で先発出場するが、トップフォームにはほど遠かった。

「ここに持ってくるのは本当に難しかった。コンディションもモチベーションも」

 なかなかチャンスに絡めずに、少し引いてみてはフリーの状況を作るが、良いタイミングでパスが来ない。香川が調子を落としつつあるここ数試合、ボランチに復帰したギュンドアンが調子を上げており、チームとしては攻撃に穴が生まれるわけでもない。だが、香川にとっては歯がゆい状況だった。

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