検索

【Jリーグ】川崎フロンターレの伊藤達哉が衝撃的 水沼貴史&平畠啓史がその活躍ぶりに感嘆 (2ページ目)

  • text by Sportiva

【予測が速く、プレーに余裕がある】

平畠 でも、守備もそうですけど、攻撃でここ最近は本当に止められない感じになってますよね。

 僕はやっぱり、そのシュートをちゃんと枠に持っていけるところ。打ったら、決まるか、GKのセーブかじゃないですか。枠を外れてちょっと遠くに行ってしまうようなシュートがまず少ない。

 あと、ステップですね。ステップの細かさというか。人間って走る時、今は世界陸上とかもやってますけど、速く行こうとすればするほど太モモとかヒザが上がるじゃないですか。でもなんかペタペタと走ってますよね。あれが、いわゆる速いっていうのじゃなくて、サッカー的なスピードがある選手なのかなと思ってます。

水沼 ステップが読みづらいとか、対峙した瞬間にどっち来るかわからないとか。

平畠 (第26節の)アルビレックス新潟戦のゴールとかも、かわしてすぐに打っている。あれ僕はスタジアムで見ていたんですけど、ボールを止めた時は「まだ打たないだろうな」って見てるほうは思ってるんですよ。そうしたら「あっ、決まった」みたいな感じで。かわして打つ速さがすごいなと。

水沼 今、かわしてすぐ打つのって、久保建英や堂安律もそうですけど、日本人って速いなってすごく思いますね。

 それでかわして打つというのがひとつあると、相手としては次は外した瞬間に足を出そう、ブロックを間に合わせようとする。そうすると股が空くので、今度はそこから違うコースを狙える。

 あと僕が衝撃的だったのは、(第29節の)横浜F・マリノス戦の試合になりますけど、先制点のシーンですね。ファンウェルメスケルケン際が出した縦パスを追いかけて、相手が来るのを見て切り返して、左足でシュート。何が一番すごいか。切り返した場面じゃないです。

 この場面で伊藤は最初、相手ボールにプレスに行って外されるわけです。そこで「ああ、外された~」みたいな感じじゃなくて、ちゃんと戻る。それで相手がパスミスになる瞬間にもうステップを踏んでまた逆を向いているんですよ。普通は戻りながら「あー、カットしそうだな」と思ってそこを見るんだけど、その前から相手ゴール方向へスタートを切ってるんですね。

 その時の映像をみなさん見返してほしいんですけど、周りの選手たちはみんなこっちを向いて、ほぼ準備できてない。

平畠 フロンターレのゴールのほうに向いてるってことですよね。

水沼 なのに、ひとりもうターンしてるんです。予測が速い。だから、その後のプレーに余裕があるんですよ。自分が出ていくスペースもあるし、相手が戻ってくるのも見えると。

平畠 僕は試合を見る時ノートをつけるんですけど、伊藤選手のところに「右メッシ」って書きましたからね。あのステップとか、ドリブルの運びとか、シュートまで持っていく形が、「あっ、この人メッシなんかな」って。メッシの流れの選手なんだろうなという気がしましたね。

水沼 速さもそうだし、判断もそうだし、それを最適に生かす技術があるし、なんか衝撃的な最近の活躍じゃないですかね。

2 / 3

キーワード

このページのトップに戻る