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「ファイナルドラフト」出演のために体を作り直した大久保嘉人「現役復帰も考えた」「まだ、いけるかも」って (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki

【現役復帰は考えたよ】

――今回はリアリティショーだったわけですけど、現役を引退した大久保さんがそこまでメディアに出るのが好きとは思わなかったです。

「テレビもそうやけど、"いろいろやってみたい"という気持ちがあったから、オファーをもらったらすべて受けて、出演させてもらっていますね。サッカー選手としてずっとやってきたけど、テレビやこういった番組は違った裏側を見られるというか、今までにない経験をいろいろしたい部分もあって」

――やっぱり、ピッチでいちばんの脚光を浴びていたストライカーとして、そういう舞台に立ち続けたい?

「目立ちたいわけじゃないよ(笑)。いちばんは、子どもたち(長男から四男まで男の子4人)が喜ぶから。いちばん下の四男は、まだ8歳だからよくわかっていないかもしれないけど、(上の)3人はわかっていて、『父親がテレビに出る』っていうのを喜んでくれるから」

――番組出演の面白さ、エクスタシーは?

「見ている人が多いから、負けられない、と思うところですかね。サッカーは『とにかく俺が点を取ればいい』って思っていましたけど、テレビやこういう番組で頑張ることで、子どもたちも学校で鼻が高いだろうし。それで頑張りたいって感じになっているんでしょうね」

――必死のトレーニングで鍛え上げて、現役時代ほどではなくても体を動かせるようになり、「現役復帰」を考えたりしなかったんですか? 最近はスポーツ全体で引退してから、もう一度戻ってくるアスリートも出てきました。

「現役復帰は考えたよ」

――すごい!

「今回のNetflixシリーズ「ファイナルドラフト」のために準備をして、"まだ、いけるかも"って思いました。そこからトレーニングも続けたし、サッカーも体力的には厳しいけど、その分経験値はあるんでね。ただ、やめてから4年が経つし、実際には難しいこともたくさんあるんだろうなとは思いましたね」

――「ファイナルドラフト」は面白い企画だと思いましたし、続編があればまた出演したい?

「考えておきます(笑)。目隠しを取って、最初にバンって出てきたあの雪山の記憶がかなりキツいから。あれは、もうやりたくないかも......。でも、チームで戦うとかはやってみたいかもね」

(>>後編に続く)

●Profile 大久保嘉人(おおくぼ・よしと)
1982年6月9日生まれ。福岡県出身。国見高卒業後、2001年にセレッソ大阪入り。J2に降格したプロ2年目からチームの主力として奮闘し、2004年にはスペインのマジョルカに期限付き移籍した。2006年にC大阪に復帰したあとは、ヴィッセル神戸、ヴォルフスブルク(ドイツ)、神戸と渡り歩いて、2013年に川崎フロンターレへ完全移籍。3年連続で得点王に輝いた。その後は、FC東京、川崎F、ジュビロ磐田、東京ヴェルディ、C大阪でプレーし、2021年シーズン限りで現役を引退。日本代表では、2010年南アフリカW杯、2014年ブラジルW杯に出場。国際Aマッチ60試合出場、6得点。

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https://www.netflix.com/title/81710053

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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