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浦和レッズのクラブワールドカップを総括 収穫もあったが福田正博はJリーグの今後の課題を指摘 (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro

【Jリーグへの切り替えはメンタルが大事】

 今シーズンの大きな目標のひとつだったクラブワールドカップが終わったが、浦和にはしっかりと切り替えてJリーグに向き合ってもらいたい。肉体的なコンディションを戻すことは当然だが、心配なのはメンタルの部分だ。目標が大きければ大きいほど、選手たちには戦い終えた後に「燃え尽きた」感が生まれることが少なくない。

 インテル戦に臨んだ時のような集中力でJリーグを戦えればいいのだが、なかなかあの熱量で臨むのは難しい。そこをマチェイ・スコルジャ監督がどうマネジメントするのか。経験豊富な監督だけに、しっかりと選手たちを肉体的にも精神的にも休ませながら、切り替えの作業に取り組んでいくことになる。

 浦和は4月から5月頭に5連勝があり上位につけているが、優勝を考えると厳しい位置にいる。優勝ラインは例年勝ち点76前後になることが多いが、現在勝ち点34の浦和がシーズン勝ち点76に到達するには、残り17試合で勝ち点42を積み上げる必要がある。17試合で3敗しかできない状況は、相当に厳しい。もちろん、上位・下位の力の差が小さい近年のJリーグでは、優勝ラインが勝ち点72前後まで下がる可能性はあるものの、それでも浦和は13勝が必要になる。

 4月に見せた5連勝を、ここから2回やっても優勝には足りないのが現状だ。ただ、5連勝できる自力があるだけに、選手たちが優勝へのモチベーションを高め、クラブワールドカップで見せた高い集中力で、Jリーグの残り試合を駆け抜けることができれば......。2006年以来の優勝に向けて、快進撃を期待したい。

著者プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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