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【Jリーグ】北海道コンサドーレ札幌が開幕4連敗 早速「J2の沼」にハマったのはなぜか (2ページ目)

  • 志田尚人●取材・文 text by Shida Naohito

【衝撃的な4連敗】

"ミシャ・サッカー"を実践する上で大切な要素が3つある。それが"走る""戦う""規律を守る"だ。岩政監督が大きくメスを入れたのは、その規律の部分である。

 攻撃面でのテーマは、選手の流動性だ。昨季は、配置されたポジションごとにやらなければならないこと、やってはいけないことなど明確な約束事があり、選手たちはある程度限定したエリアでプレーする必要があった。

 今季はその制約を取り払い、個々の選手たちが状況判断して前線のスペースへ飛び出すなど、さらなる積極性を促した。と同時に一つひとつのプレーの精度を高めることを求めたのだ。

 守備面では昨季までのマンツーマンディフェンスを改め、エリアによって一部、ゾーンディフェンスを採用。ゾーンとマンツーマンを使い分けながら対処するように修正した。

 1月からのキャンプを通じて新たな戦術を落とし込み、練習試合などで徐々にそれが浸透しつつある手ごたえをつかんでいた。選手間の競争意識も高まり、チーム全体として戦力アップしている感触もある。それだけに開幕4連敗の現実はあまりにも衝撃的であった。コンサドーレにしって、一大事件と言っても過言ではなかった。

 9年ぶりのJ2はそう簡単ではなかったということなのだが、連敗スタートとなった現状を受け、コンサドーレの三上大勝GMはこう言う。

「J2って、やっぱり独特なリーグだなぁと。基本的には自分たちのよさというよりも、相手の強みを消し、弱点を突くスタイル。どのゲームも前線にアバウトに狙ってくるボールをはじき返すことができず、ことごとくそれが失点に結びついている。改めて研究されているという印象を受けました。

 まだ短い時間ではありますが、試合中に新しい戦術が浸透している感触はあります。発揮できる時間帯を長くすることが、勝ち星につながるのだと思います。どの試合も結果を求めるのは当たり前ですが、たとえ結果が出なかった場合でも問題点をはっきりさせた上で一つひとつ解決しながら、チームとして前へ進む。それが強いチームを作る最善の手段であり、近道だと信じています」

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