今季J1の順位予想 識者が悩み抜いて選んだ優勝チームと降格候補3クラブは? (2ページ目)
今季も「決定打がない」Jリーグの戦い
V候補筆頭は広島、ダークホースは福岡か
小宮良之(スポーツライター)
1位 サンフレッチェ広島
2位 アビスパ福岡
3位 ヴィッセル神戸
4位 鹿島アントラーズ
5位 FC町田ゼルビア
6位 東京ヴェルディ
7位 FC東京
8位 ガンバ大阪
9位 横浜F・マリノス
10位 川崎フロンターレ
11位 名古屋グランパス
12位 浦和レッズ
13位 セレッソ大阪
14位 柏レイソル
15位 湘南ベルマーレ
16位 アルビレックス新潟
17位 京都サンガF.C.
18位 清水エスパルス
19位 横浜FC
20位 ファジアーノ岡山
「決定打がない」
今シーズンも、それがJ1の戦いの特徴だろう。
「群雄割拠」「下剋上」と言えるが、「団子レース」「ドングリの背比べ」とも言える。プレースタイルを確立したチームは少なく、戦力の優劣はあるが、有力選手の欧州移籍次第で途端に失速する。
横浜FCやファジアーノ岡山がしぶとく勝ち点を稼いで中位で健闘する可能性がある一方、浦和レッズやセレッソ大阪のように資金力に恵まれたクラブが下位に引っ張られる可能性もある。当然、順位予想は難しい。
3連覇を目指すヴィッセル神戸は、戦力的には一番恵まれている。しかし、大迫勇也、武藤嘉紀、酒井高徳など主力の高齢化は進み、盤石ではない。突出した数人の選手を中心にした"個人戦術"には、限界が見えつつある。
サッカーの完成度では、サンフレッチェ広島が優勝候補と言える。個人的には、ミヒャエル・スキッベ監督は3年連続の優秀監督賞に値する(※Jリーグアウォーズでは2022年、2024年に受賞)。主力はほとんど残り、FWジャーメイン良(ジュビロ磐田→)、MF田中聡(湘南ベルマーレ→)を補強し、FWトルガイ・アルスランは"世界"を感じさせ、18歳のMF中島洋太朗は"怪物感"がある。
Jリーグのなかではクラブとして戦略も一貫しているし、すばらしいスタジアムも2年目で、「優勝しない」はむしろ失敗だ。
横浜F・マリノス、川崎フロンターレは、ひとつのサイクルを終えた。それぞれ、アンジェ・ポステコグルー、風間八宏という指揮官が作り上げた気風は擦りきれてしまった。土台は残っているが、パワーダウンは否めない。
そこで、伏兵にはアビスパ福岡の名前を挙げたい。
新たに就任した金明輝監督はサガン鳥栖時代のパワハラ問題で、マイナスからのスタートになる。しかし、優れた戦術家であることは間違いない。昨シーズンは参謀としてFC町田ゼルビアの躍進を支えた。試合中の修正も得意で、目利きとしてはJリーグ監督で1、2を争う。
福岡は、前任の長谷部茂利監督が作り上げた強度の高い攻守のベースがある。MF名古新太郎(鹿島アントラーズ→)なども補強し、戦力も充実。イラン代表FWシャハブ・ザヘディは得点量産の可能性もある。町田に代わって、2025年のダークホースとなるか。
海外移籍が進む一方、帰国組も増えた。個人的に注目はFC東京のMF橋本拳人。ロシア、スペインでの実績は他の選手を凌駕している。その力を見せつけられるか。
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