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J1優勝の行方を左右する!? レオ・セアラ、西村拓真、松本泰志...主力選手の移籍は吉と出るか、凶と出るか (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki

 一方、松本と入れ替わって広島入りした田中は、ボール奪取能力に優れたボランチ。松本とはタイプが異なるが、縦パスを通すセンスもよく、攻撃面での働きにも期待がかかる。

 しかしながら、田中はコルトレイク(ベルギー)へ期限付き移籍したものの、思ったような出場機会が得られず、湘南に復帰した経験を持つ。国内と海外の違いこそあれ、新たな環境で力を発揮することの難しさは、田中自身が誰よりよく知っているはずだ。

 そのほかでは、J2降格クラブからJ1"個人残留"を果たしたふたり、ジャーメイン良と岡村大八にも注目したい。

 昨季J1得点ランク3位タイとなる19ゴールを記録した、ジャーメイン良はジュビロ磐田から広島へと移籍。優勝争いを繰り広げた強豪への移籍は、大きなステップアップと言ってよく、優勝にあと一歩届かなかった広島にとっても、頼もしい得点源の加入だろう。

 とはいえ、一昨季までのジャーメインのJ1通算ゴール数は、6シーズンで11。長くコンスタントに結果を残した実績はなく、いわゆる"2年目のジンクス"に苦しむ可能性がないわけではない。

 しかも、今季の広島はJ1制覇こそが絶対の目標。そのプレッシャーのなかで、点を取り続けることは簡単ではないはずだ。

 同じことは、コンサドーレ札幌から町田へと移籍した岡村にも言える。

 立正大を卒業後、当時J3のザスパクサツ群馬に入った岡村は、J3→J2→J1と着実に前進。J1での4シーズンを過ごした札幌では、身長183cmを生かした空中戦はもちろんのこと、長身ながら意外なほどに軽やかなステップワークを操る地上戦にも強いセンターバックとして、自身の地位を固めてきた。まだまだ伸びしろを感じさせる選手だけに、札幌のJ2降格にもかかわらず、岡村自身がさらなるステップアップを遂げたことは、今後への楽しみが膨らむ。

 ただ、前述のキャリアが示すとおり、優勝争いとは縁遠いところでプレーしてきた岡村にとって、町田で受けるプレッシャーはこれまでとはまったくレベルの違うものだろう。

 ジャーメインも含め、彼らのキャリアにおいて、今季は重要な分岐点となるのかもしれない。

 そして最後に、外国人選手ではあるものの、注目の移籍という意味で触れないわけにはいかないのが、レオ・セアラである。

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