【Jリーグ】キャンプを見て確信! 今年躍進が期待できるクラブはココだ (2ページ目)
東京ヴェルディ
とにかく速い! 東京ヴェルディのキャンプの特徴はスピードだ。チームの平均年齢が若いのも大きな理由だろうが、選手たちの足も速い。だからプレスも速い。攻撃も速い。ピッチ上のいたるところにスピードが溢れている。このスピード感を実現しているのは、選手たちの意識の高さと監督やコーチの指導力だろう。
本来キャンプとは体ができあがっていなかったり、連日の練習で疲労が溜まっていたりで、選手たちのコンディションがよくないものだ。それでも東京ヴェルディの練習からは圧倒的なスピードを感じる。この練習を続けていれば、必ず選手たちは成長すると思わせるものがある。
昨季、東京ヴェルディの選手人件費はJ1最下位の20番目だった(2023年度データより)。それでも意識の高いチームが自分たちで選手の価値を高めて、リーグ6位という結果を手繰り寄せた。J2から昇格して1年目はそんなサプライズを起こすチームが度々ある。だが、2年目は選手が大量に流出し、一気に順位を下げてしまうケースもよくあることだ。
しかし、今年の東京ヴェルディは好結果を収めたにもかかわらず、大量流出にいたらなかった。昨季平均2万人超えの観客動員を記録し、クラブも成長したことが大きかったのだろう。2年連続の躍進へ視界良好だ!
ベガルタ仙台
ベガルタ仙台のキャンプには笑いが溢れている。その雰囲気を作っているのが2024年に就任した森山佳郎監督だ。練習前だけでなく練習中も練習後もニコニコ笑顔を見せている。練習内容は他クラブと比べても強度が高く、運動量が多いトレーニングで構成されている。厳しいメニューを笑って乗り越えていこうというのがモットーだ。
仙台らしいと思った瞬間が、キャンプの歓迎式の時にあった。初日は、どのクラブでも地元の人による歓迎式が行なわれる。だいたい粛々と、そして和やかに行なわれるものだが、仙台の場合はところどころに笑いが起きる。地元糸満のお酒をプレゼントされたのだが、受け取り役の選手が20歳未満だったため「お前らは飲めないぞ(笑)」と森山監督からツッコミが入り、笑いが起きる。
こんなシーンもあった。ベガルタ仙台は、トレーニングで股関節の柔軟を行なっている。移籍組は慣れていないため、足が全然開かない。そんな選手を見つけて、森山監督が嬉しそうに近寄りいじり倒す。そこでチームメイトから笑いが起きる。柔軟運動は慣れるまではきついものだが、そんなふうに笑いにして乗り越えていくのが森山スタイルなのだ。
昨季はJ2を6位で終え、プレーオフ決勝に勝ち進むもあと一歩で昇格に届かなかった。だが、今年はストレートインを狙える準備が整っているのではないか。その最大の理由がFWエロンだ。
昨季のキャンプでは明らかにコンディションが悪く、体も相当重そうだった。これは体重を落とすのにかなりの時間がかかるだろうと思われ、案の定エロンに初ゴールが生まれたのは8月のことだった。しかし、そこからはゴールゲッターとしても、前線のハイプレス要因としても外せない選手となった。
今年のキャンプはどんなコンディションで来るのかと注目していたが、ちゃんと痩せている! 練習中の動きも軽く、昨年とは明らかに違う。今年はシーズン頭からエロンがチームを引っ張っていく存在になりそうだ。
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