【Jリーグ】移籍状況で見る「今季躍進が期待されるクラブ」はココだ! (3ページ目)
【移籍選手と既存選手の化学反応が楽しみ】
鬼木達監督新体制となった鹿島アントラーズは、前線で主力を担った名古新太郎や仲間隼斗が離れたが、得点頭のレオ・セアラ(セレッソ大阪)を獲得し、荒木遼太郎をFC東京からレンタルバック。
前線で鈴木優磨の負担過多のなかで、レオ・セアラの加入はとりわけ大きい。鈴木との2トップはリーグ屈指のコンビを予感させる。昨季とはスタイルの違う鬼木監督が、どうチームをまとめるかは現時点では未知数だが、どんな化学反応が起こるのか注目だ。
アビスパ福岡も積極的に補強し、注目すべきクラブのひとつだ。前寛之、宮大樹、ドウグラス・グローリと主に守備的な主力選手を放出したが、V・ファーレン長崎からMF秋野央樹、横浜FMからDF上島拓巳、広島からDF志知孝明、町田からDF池田樹雷人など、十分な補填ができている。
その上で、FWシャハブ・ザヘディの完全移籍、FW藤本一輝(町田)、MF名古新太郎(鹿島)、MF見木友哉(東京ヴェルディ)など、金明輝新監督のスタイルに合いそうな攻撃のタレントを積極補強。十分な陣容が整い、これまでの守備に重きを置いたスタイルとは異なるサッカーで躍進の可能性を感じさせる。
昇格組のファジアーノ岡山もMF江坂任(蔚山HD)やDF立田悠悟(柏)ら積極的な補強を見せ面白い存在だ。
今季は監督交代のクラブが多く、戦力の入れ替えだけではチーム力の判断は難しい。それでも多くの実力者が移籍を決断し、注目すべきクラブはいくつもあり、各クラブがどのようにスケールアップして開幕を迎えるのか楽しみだ。
著者プロフィール
篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)
1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。
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