加地亮のJ1順位予想&全チームレビュー「上位の力は安定している」とみるなかで唯一「かき回しそうな存在」とは? (2ページ目)

  • 篠幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【浦和レッズはハマれば優勝争いか】

 4位の浦和レッズは、新しく指揮を執るペア=マティアス・ヘグモ監督の攻撃的でアグレッシブなサッカーが期待できる。補強においてもFWチアゴ・サンタナの獲得をはじめ、MF松尾佑介の復帰、MF渡邊凌磨、FW前田直輝、MFオラ・ソルバッケンの獲得など、攻撃的なタレントを数多く獲得した。

 昨季の守備の堅さに加え、へグモ監督の攻撃的なスタイルとタレントがハマれば非常に面白い存在になるはず。戦力を見れば優勝争いに絡んでも何ら不思議ではない。

 5位には川崎フロンターレ。今オフにこれまでチームを支えてきたベテラン選手の多くが移籍。戦力的に大きな入れ替わりがあり、昨季に続いて過渡期であることは間違いない。新戦力を融合させながらどのように新しい川崎のスタイルを確立していくのか。

 とくに新加入のブラジル人3選手が早期にフィットできるかはチーム力を左右する。懸念は守備ラインで、川崎の破壊力は後方の安定が支えていた。そこに大きな戦力の入れ替わりがあり、守備だけでなく、ビルドアップの部分でも形を作り込めなければ、序盤は苦戦を強いられるかもしれない。

 6位のセレッソ大阪は、MFルーカス・フェルナンデスやDF田中駿汰、DF登里享平、MF平野佑一らの獲得で、非常に充実した今オフとなった。ただ昨季は、ストライカーの部分で課題を感じた。

 得点力のところで苦しみ、終盤には連敗が続いた。そこの課題を今季どう改善するか。その点では、アトレチコ・パラナエンセから獲得したFWヴィトール・ブエノがどれだけの仕事をしてくれるかにかかっている。

 7位のFC東京はFW小柏剛やMF荒木遼太郎、MF遠藤渓太など、面白い補強ができたが、その新戦力たちを既存の戦力とどのように融合させるのか。昨季はやりたいサッカーがやや見えづらく、守備の堅さ、カウンターの鋭さというのが影を潜めてきていると感じる。

 個人的にはそうしたスタイルがFC東京には合っていると思うので、そこに立ち返ってタレントを生かせれば、また上位を狙える存在になるだろう。

 8位の鹿島アントラーズは昌子源、広瀬陸斗、キム・ミンテらが抜けたDFの選手層は不安があるものの、戦力的にそこまで大きな変化は感じない。あとは昨季埋めきれなかったFW上田綺世の穴を新加入のFWチャヴリッチが埋められるか。

 元々、守備の堅さとカウンターの鋭さを持っているチームだが、その良さをランコ・ポポビッチ新監督が生かしつつ、自分のやりたいサッカーにどれだけ持っていけるか。近年はシーズン通した安定感に欠けているので、今季はその点も不安要素だ。

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