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審判目線のJリーグトップ10プレーヤー「レフェリー泣かせ」の選手を村上伸次が明かす (3ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

【レフェリーの話をよく聞いてくれる】

4位 米本拓司(現名古屋グランパス)

 米本選手はリパプールの遠藤航選手と似ていて、ボール奪取率が非常に高いボランチですよね。2009年のナビスコカップ(現ルヴァンカップ)決勝が、FC東京対川崎フロンターレで、私がレフェリングを担当しました。

 当時、彼はFC東京に所属していました。下馬評では川崎が優位だったんですけど、高卒ルーキーだった彼がボールを奪いまくって、川崎の攻撃の芽を次々に摘んでいくんですよ。あれはすごかったですね。

 レフェリーなので彼のように球際に激しく寄せるタイプはどうしても目につくものですが、彼はそのなかでもとくに強く印象に残った選手でした。

3位 本間幸司(現水戸ホーリーホック)

 彼のボールに対する飛び出しの勢いはちょっと凄まじかったですね。今で言うDOGSO(決定的な得点機会の阻止)の対象となる場面でも、味方をなぎ倒しながらおかまいなしに平気で飛び込んできますから。

 あと水戸のピンチにつながるような笛を吹いた時の彼の威圧感もすごかったですね(笑)。ただ、水戸のナイターの試合を担当した時に、水戸のホテルに泊まったら彼もいたんですよ。それで「村上さんお疲れさまです」と声をかけてくれて、ピッチとはうって変わって優しい笑顔のナイスガイです。

 最近はなかなか出場機会が得られない時期が続いていますけど、46歳で現役を続けているのは本当にすばらしいと思います。JリーグにGKはたくさんいますが、彼にもスポットライトが当たるといいなと思って選ばせてもらいました。

2位 阿部勇樹(元ジェフユナイテッド市原・千葉、浦和レッズほか)

 彼が中盤の底でプレーすることによって、チームが安心感を持ってゲームを進めることができる存在でしたよね。レフェリーとの駆け引きもよく心得ている選手で、ある一定の線を超えたらまずいというのをよくわかっていましたね。

 ジェフや浦和でキャプテンをやっていたので、彼とコミュニケーションを取る機会も多かったですが、レフェリーの話をよく聞いてくれる選手でした。私もレフェリングをする上で、どうしても譲れないところがあったりしても、ちゃんと耳を傾けてくれる数少ない選手のひとりでした。

 彼は私が最後のレフェリングをした名古屋対浦和の試合で現役を引退されて、そのあとの引退試合で笛を吹かせていただけました。そんな気遣いができる人間的にもすばらしい人で、今後指導者として日本のサッカー界に大きく貢献されると思いますが、本当に頑張っていただきたいなと思っています。

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