中村憲剛と佐藤寿人が考えた若手育成の具体策とは?「リザーブリーグを作りましょう!特任理事の力でぜひ!」 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

寿人 それでレベルが落ちなければいいですよね。

憲剛 そこなんだよね。今のJリーグのクオリティは果たしてどうなのか、という話になってくる。寿人はいろんなチームを見ているけど、どう感じている?

寿人 下がっているようには感じないですね。

憲剛 そういうレベルの日常のなかで揉まれれば、若手は育つはずなんですよ。それでまた(海外クラブに)出ていったとしても、それは悪い循環ではないと思います。

 フロンターレの場合は、中核になるであろう選手たちが一気に海外に出て行ってしまったから苦しんでいますが、そのような影響を受けるクラブもあれば、ヴィッセル神戸のように海外から帰ってきた選手を中心としたチーム作りもある。いろんな強化の形があっていいと思います。

── 30歳を越えた「元海外組」が今季のJリーグでは主役となっていますが、この状況は果たしていいことなのでしょうか。

憲剛 いいことだと思います。大迫(勇也)もそうだけど、(香川)真司とか、長友(佑都)とか、(酒井)宏樹とか、若い選手たちにいい影響を与えていると思いますけどね。今は「経験値の高い選手たちがいい影響を与えて、若手が伸びていく」というフェーズだと思っているから、いい感じで回り出しているのかなと。

寿人 2010年の南アフリカ大会のあとに海外に行った選手たちが戻ってきているので、そのあとに行った選手たちも徐々に戻ってくるのかなと。やっぱりある程度、できる時に帰ってきてほしいですよね。

 行くところがないから戻ってくるんじゃなくて、まだ向こうでもやれる力がある状態で、Jリーグに帰ってきてほしい。それで若手に刺激を与えて、その若手が成長していく──そういうサイクルで回って行けばいいですよね。

── ひとくくりに若手と言っても、伸びるタイミングは人それぞれですからね。

憲剛 (三笘)薫みたいにアンダーの代表に常時入っていなくても、大学経由でプロになってプレミアまでいくケースもあれば、(久保)建英のようにずっと注目されながら、順調に伸びていくパターンもありますしね。

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