三笘薫と対照的な宮市亮の左ウインガーとしての魅力 代表復帰を切望する (2ページ目)
【どこかC・ロナウド的な身体能力】
前半12分、アンデルソン・ロペスのパスに反応する。ゴール前に走り込み、2プレー先に生まれた永戸勝也の先制ゴールに絡む決定的なアクションだった。
走るほど速くなるそのランニングフォームに何より目を奪われた。マーカーのFC東京、白井康介は気がつけば裏を取られ、置いていかれた。持っているモノが違う。走っただけで違いが露わになった。
快足ウイングと言えば、日本代表では右の伊東純也を想起する。こちらは髪を振り乱して走る疾走感あふれる走りだ。見るからに速そうである。それにひきかえ宮市はパッと見、それほど速そうに見えない。疾走感や躍動感は抱かせない。表情に力感はない。馬なりというか、8割の力で走っている様子なのだ。フォームに余裕がある理由である。力感なく滑らかな動きから、気がつけばグイグイと加速している。
三笘とも対照的だ。巧緻性、俊敏性で勝るのは三笘で、プレミアの大型選手のなかに入ると、178センチの身長でも、すばしこく見える。そうした意味で三笘は日本人らしい選手である。宮市の身長は三笘より3センチ高い。たかが3センチ、されど3センチだ。スケール感で宮市は三笘に勝る。
三笘がアイドル的なら、宮市は怪物的だ。宮市と同タイプの選手を見つけることは難しい。若干の誇張を交えれば、どこかクリスティアーノ・ロナウド的だ。身体能力の高さを感じずにはいられない。
ゴルファーで言えば、8割の力で振っても300ヤード飛んでいくタイプ。三笘が石川遼なら、宮市は松山英樹タイプだ。宮市は排気量で三笘に勝るという感じなのである。安定感、余裕を感じさせるランニングフォームのそれは集約される。
宮市の力を再認識したのは、7月23日に国立競技場で行なわれたマンチェスター・シティ戦だった。後半28分、交代で左ウイングの位置に入ると、何度か縦を突いた。その速さは、欧州チャンピオンを向こうに回しても際立っていた。
試合後の会見でジョゼップ・グアルディオラ監督は、三笘について「いい選手だ」と讃えた後、こう続けた。
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