今季未勝利の横浜FCの現状を残酷なまでに映し出した逆転負け 長いトンネルの出口はいまだ見えず (2ページ目)
前半39分、札幌が自陣から放り込んだロングボールが予想以上に伸びたのか、これを下がりながら処理しようとした横浜FCのセンターバック、DFンドカ・ボニフェイスが足を滑らせ、転倒。ンドカの体に当たってこぼれたボールは、札幌のMF浅野雄也に拾われ、ゴール右スミへと叩き込まれた。
とはいえ、試合はまだ1-1。風上に回る後半に望みをつなげば、横浜FCにも勝機が生まれる可能性は十分にあったはずだ。
しかし、前半アディショナルタイムの45+1分に、札幌の分厚い攻撃から最後はFW小柏剛に押し込まれ、たちまち逆転を許してしまう。
「風下の前半は耐えながら、何とか1点を守って折り返せればというところだったが、不運も重なって逆転されて、後半を迎えることになった」(四方田監督)
結果論とはいえ、後半は札幌の鮮やかなコンビネーションばかりが際立つ展開になったことを考えれば、この時点で事実上勝負は決していたのだろう。
近藤が苦しい胸の内を明かす。
「早い時間に先制できて、あのまま1-0、(最悪でも)1点取られて1-1で折り返せれば、後半はもっといけたのかなというなかで、あそこで2点を取られるのが実力。何としても1-1で終えないと、チームとして苦しくなってしまう」
ヒーローになり損ねた22歳は、自身のゴールについても、「うれしいけど、結局1-4で(負けて)価値のないゴールになってしまった」と、悔しそうにつぶやいた。
ここまで10試合を終え、横浜FCの総得点8はJ1ワースト2位、総失点27は同ワースト1位と、数字のうえでも苦戦の様子は明らかだ。
だが、これまでに計8点しか取っていないにもかかわらず、横浜FCには先制した試合が3つ、さらには、先制されてから1-1に追いついた試合が3つもある。
決して総得点数は多くないが、効果的な得点は奪えているのである。
だからこそ、初勝利のために必要なのは、0-0はもちろんのこと、1-0や1-1になってからの我慢だろう。
「前半に2失点するまではいい戦いができていたと思うが、(守りきるゲームプランは)そうそううまくいかない。足を滑らせて失点してしまうところも(チームの)現状を表してる気がする」とは、チーム最多5得点を挙げているFW小川航基の弁。
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