アントラーズの危機「岩政を出せよ!」サポーターの罵声が飛び交い、昌子源は憔悴、鈴木優磨は「今日は勘弁してください」 (2ページ目)
【選手の姿勢にも問題が?】
「僕たちは非常に流動的なサッカーをしていて、相手に捕まらないように、相手に読まれないようなサッカーを目指しています。そのうえで大事なのが、うしろで動かすテンポ。この数試合、相手を動かしながらどこを見ておくか、そして相手が来ないのであればどのように動かすか、というところを取り組んできました」
岩政監督には明確なビジョンが備わっているはずだ。
しかし現状は、その理想をピッチ上ではうまく体現できていないように映る。この柏戦ではボールをいい形で動かせず、相手を動かせないから、裏のスペースを一発で狙うフィードが多用され、理想とは程遠いサッカーに終始した。
「今日は特に、試合前にレイソルのやり方を踏まえて、そこを強調して出しました。だが、前半はそれが出せなかったというより、やろうともしなかったように見えた」
この日に限って言えば、選手たちの姿勢に問題があったと指揮官は指摘する。
「いつもあまり僕は叱らないんですけど、ハーフタイムにかなり喝を入れました。前半はかなりのらりくらりと時間を過ごしてしまった」
この敗戦が痛手だったのは、勝ち点はもとより、チームとしての上積みを得られなかったことだと岩政監督は言う。
「前節までは、自分たちが失った勝ち点よりも、自分たちが前進していることの実感があった。課題に対して取り組んで、プラスアルファを乗せて試合をするという繰り返しをしていて、そこに勝ち負けはついてきますけど、チームが進んでいればそこはあまり関係ない。ただ今日に関しては、前進したとは言えない試合だった」
選手たちにも、その自覚はあるようだ。左サイドバックを務める安西幸輝は語る。
「サンフレッチェの試合の負け方と、今日の負け方は違うと思っていて。広島戦は2点やられてしまいましたけど、85分くらいまでは自分たちのサッカーができていた。今日の負けはちょっと違うという感じがします。もっと僕らがやらないといけないと感じました」
ではなぜ、この日はやるべきことができなかったのか。岩政監督は「相手の出方もあったのかもしれませんし、今日はウチが1時間半ぐらいかけて移動してきて、身体が動かないところもあったのかもしれません」と話したが、その原因の追求が重要なポイントとなるはずだ。
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