識者5人がJ1全順位を予想。その多くが横浜FM&川崎の「2強時代」の終焉を匂わす (4ページ目)

  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

V候補筆頭は川崎。対抗は横浜FM、広島、鳥栖
香川、井手口ら海外組のカムバックにも注目

小宮良之氏(スポーツライター)

1位 川崎フロンターレ
2位 サンフレッチェ広島
3位 サガン鳥栖
4位 横浜F・マリノス
5位 鹿島アントラーズ
6位 セレッソ大阪
7位 北海道コンサドーレ札幌
8位 FC東京
9位 浦和レッズ
10位 柏レイソル
11位 名古屋グランパス
12位 湘南ベルマーレ
13位 ガンバ大阪
14位 ヴィッセル神戸
15位 アルビレックス新潟
16位 京都サンガF.C.
17位 横浜FC
18位 アビスパ福岡

 優勝の筆頭候補は、一昨年王者の川崎だろう。補強面はバックラインで谷口彰悟(→アル・ラーヤン)の移籍がマイナスだが、前線は宮代大聖(鳥栖→)のレンタルバック、アカデミー出身の山田新(桐蔭横浜大→)の加入でプラス。小林悠、レアンドロ・ダミアンもケガからの復帰が見込める。何より、中盤の陣容は脇坂泰斗を筆頭に強力だ。

 ライバルは、対抗が昨年王者の横浜FM、穴が広島、大穴が鳥栖と言ったところか。

 横浜は、主力の離脱がどう出るか。昨年のMVPでボランチとセンターバックの"二刀流"だった岩田智輝(→セルティック)、かつてのMVPでケヴィン・マスカット監督が好むパワー、スピードを注入していたFW仲川輝人(→FC東京)、さらにポイントゲッターだったレオ・セアラ(→C大阪)が相次いで移籍。とどめに戦術軸だったGK高丘陽平の退団も決まり、この戦力ダウンは避けられない。ベテランMF水沼宏太の奮闘や若手のMF山根陸の台頭などで、戦いを好転させられるか。

 広島は戦術的に合理的で、昨季J1で3位、ルヴァンカップ優勝、天皇杯準優勝の成績は伊達ではない。左ウィングバックにも志知孝明(福岡→)を補強し、戦力も整った。ミヒャエル・スキッベ監督の2年目が期待される。

 最も楽しみなのは、川井健太監督が率いる鳥栖である。これだけ監督の色が出たチームはない。MF西川潤、MF堀米勇輝、DF中野伸哉ら左利きが共演し、GK朴一圭が戦術を司る。昨年のJ2ベストプレーヤーと言える河原創(ロアッソ熊本→)のプレーメイクも楽しみ。同じく新加入の富樫敬真(ベガルタ仙台→)がふた桁得点できるかで、チームの成績的な浮沈も見えてくる。

 戦力的には、鹿島も割って入る力はある。MF荒木遼太郎は必見。センターバックも補強し、常勝を取り戻す面子はそろったが、プレシーズンではJ2相手に不振で......。

 サッカーとして面白そうなのは、札幌だろう。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の采配の妙か、MF青木亮太など多くの選手が進化を遂げている。神戸から移籍のMF小林祐希の本領発揮も期待だ。

 また選手個々では、C大阪に復帰した香川真司(シント・トロイデン→)、福岡に移籍した井手口陽介(セルティック→)など、海外組のカムバックは注目だろう。新外国人の顔ぶれはさみしいが、カタールW杯で奮闘してG大阪入りしたチュニジア代表のFWイッサム・ジェバリ(オーデンセ→)は楽しみ。あとは、やはり神戸のアンドレス・イニエスタがたとえ5分間でもコンディションがフィットしたら、観戦の価値はある。

 最後に、G大阪のMF中村仁郎やFC東京のFW熊田直紀など10代プレーヤーの新しい波にも待望したい。

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