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「ひとつやり残したことと言えば...」ポジティブ思考の槙野智章が現役生活で叶えられなかったこと (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

── ポジティブ思考の持ち主ですから、おそらくないのかなとは思うんですが、現役生活でやり残したことってありますか?

「そうですね、ひとつ言うなら、得点王かMVPを獲りたかったですね。

 MVPを獲って、カズさん(三浦知良)みたいにド派手な登場(1993年Jリーグアウォーズ)をしたかったですし、『DFで得点王』なんて超カッコいいじゃないですか。やり残したことと言えば、それが一番ですね」

── 引退後の話も聞いていきますが、まずはまだ引退を発表される前に出演したワールドカップ中継の解説が好評でしたね。

「楽しかったですね。4年前は選手で出て、その4年後はメディアとして携わるなんて、なかなか異例なことですから(笑)」

── 本田圭佑選手とのやり取りが話題を集めました。

「森保(一)さんがよく『新しい景色』って言ってますけど、メディアの新しい形を見せられたんじゃないでしょうか(笑)。正直、あんな感じになるとは思わなかったですけどね。

 ただ、あの時はまだ現役だったので、選手なりの視点でよりリアルなことをわかりやすく伝えたいという思いはありました。リビングで一緒に見ているような感じを出したかったんですよ」

── なかなかこなれた感じでしたけど、解説の勉強はしていたんですか。

「将来的に監督になりたいので、ふだんからいろんな試合を見ていますし、ほかの人の解説を参考にすることもあります。僕の場合は戦術的な監督の下でプレーしてきたことも大きいですね。だから『この場面ではこうやったほうがいい』ということが、なんとなくわかるんです」

── 今回解説者を経験したことは、今後にどのような影響を与えると思いますか。

「引退したことで、どうやったらサッカーの魅力を多くの人に伝えられるか、ということをより考えるようになりました。今回、選手とは違う立場でワールドカップに携わって、メディアにはいろんな人を巻き込む力があるということを、あらためて感じることができました。

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