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松木玖生、中野伸哉...U-20W杯の年に活躍が期待される次世代スター候補たち (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

【「ラームのようなタイプ」の中野伸哉】

 一方、中井卓大(カスティージャ)は、局面のプレー強度がパワー、スピードともに足りない。フランス戦でも、簡単に当たり負けするシーンがあった。松木が豪快なスライディングでボールを奪い返したショートカウンターのシーンでは、ゴールまで持ち込んでほしかったが、すぐに奪い返されていた。レアル・マドリードのセカンドチームで今シーズンわずか1試合出場(4分間)という試合勘の鈍さもあるのか。

 ただ、中井はプレーの緩急を心得ている。仲間を使うのがうまく、常にコンビネーションの選択肢があり、プレーが簡潔で迅速。フランス戦もボールを引き出し、味方を走らせ、そこにコンビネーションを生み出し、流れを潤滑にしていた。こぼれ球に対するポジション取りもよく、頭を使ってプレーを作ることができる。また、スペイン戦ではふたりの間を割って入ろうとするドリブルを見せ、相手を慌てさせていた。強度に慣れたら、一気に才能が開花するかもしれない。

 この世代で一番に推したいのは、左サイドバックを中心にどのポジションでも「サッカー」を見せる中野伸哉(サガン鳥栖)だ。

「伸哉はスピードも、技術もある選手。プレーを読む力もあったから、インターセプトもできた」

「左利きですが、どちらも同じように蹴ることができて、ギリギリまでタイミングを待てるので相手は読めない」

 鳥栖のアカデミー関係者の証言だが、中野はナチュラルなサッカーの才能の持ち主だろう。単なる「うまい」で括れない。ボール、敵、味方をスペースのなかで見極め、プレーキャンセルも含め、最善の選択ができる。たとえば自分の間合いで相手と入れ替わることができる。昨シーズンは論理的に戦術を落とし込むところで時間がかかったが、飛躍の前段階と考えるべきだ。

「伸哉はポジション的にスペシャルになる可能性もある選手ですが、どちらかと言えば元ドイツ代表の(フィリップ・)ラームみたいなタイプ(ボランチやサイドバックをこなすポリバレントな選手)かな、と。その意味では"見えている"し、いいものを持っています」

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