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王者横浜F・マリノスのブレイク候補、山根陸。「武器がない」からこそ「総合力を高めたい」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFLO SPORT

【好きな選手はモドリッチ】

――現代では、ボランチも同世代のスペイン代表ガビ、ペドリなど、世界的にゴールに近い仕事が求められていますね。

「サッカーの一番の醍醐味はゴール前だと思うし、見ている人もそれが楽しいし、やっている自分たちもそれが楽しい。そこを極めていくのは、将来の自分のためにもすごく大事なことだと思っています。F・マリノスのサッカーをやるなかで、すごく攻撃的なチームなので、攻撃回数も自分次第で増えてくると思うし、ペナ(ペナルティエリア)に入っていくことは常に頭に入れておこうって思っています」

――スペインのリーガ・エスパニョーラでボランチにまず求められるのは、五分五分のボールを制する強さですが、山根選手も「球際が強い」という評価です。

「たまたまいいところを見てもらっただけです(笑)。練習でも、まだまだ入れ替わられちゃうシーンがあって。自分の先輩である渡辺皓太選手、(藤田)ジョエル君、喜田(拓也)選手は、みんな行き方がうまい。相手とがちゃがちゃってなる時、力づくで行くんじゃなくて、ちょっとした駆け引きをしているんです。突っ込んでくる相手に対し、待ったほうがいい時もあるし、待っちゃいけない時もあるし、そこの見極めがうまいな、と。いざ自分がやろうとすると、うまくいかないことが多いですね」

――話をしていると、プレーイメージは確立しているようですね。

「好きな選手は(ルカ・)モドリッチで、とにかく何でもできて、動けるし、ボックスに入っても、どの位置にいてもクオリティの高いプレーができる。そういう選手は、どのチームでも、どの監督でも重宝されるはずです。モドリッチを見ていると、こっちも面白いし、あれだけうまかったら楽しいんだろうなと、映像を見ながらでも思うし、目指したいなって思います」

――逆に昨シーズンを戦って、できなかった点は?

「できなかったというよりは、足りないな、と感じたところはあります。フィジカル的なところもそうですけど、守備の(ボールを)奪う力とか、あとは運動量ですね。攻撃のところのビルドアップに関わる運動量は慣れてきました。でも、守備のところで疲れてしまい、もう一歩が遅れて、"1秒早くそのポジションについていれば......"というのは何回かあったので。そこから展開されてしまったこともあったし、細かいところだと思うんですけど、それが大きな違いになってしまうので、そこは頭に入れてやっていかないと」

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