酒井宏樹、ショルツ、伊藤敦樹...浦和レッズをACL決勝へ導いた頼もしき「後方部隊」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 そんな頼もしい"後方部隊"の働きを象徴していたのが、準々決勝BGパトゥム・ユナイテッド戦の4点目だろう。

 後半72分、最終ラインでボールを保持したショルツが、前からプレスをかけようとする相手選手の間に"スルーパス"を通すと、ボールはボランチの伊藤へ。

 自陣でパスを受けた伊藤が、そのままドリブルで敵陣ペナルティエリア手前まで持ち込み、MF江坂任へと渡したボールがMF明本考浩へとつながり、ダメ押しのゴールが決まっている。

 この試合で伊藤の足がつり、交代を余儀なくされたのは、その数分後のこと。完全に足がつってプレー続行不可能となる直前まで、これだけ質の高いプレーを見せていたということになる。

 鮮やかにスルーパスを差し込んだショルツもさすがなら、そのタイミングを逃さず、大きく前にボールを運んだ伊藤もさすがだった。

 いずれも中2日の日程で3試合を戦った、今回のACL決勝トーナメント。埼玉スタジアム開催という地の利を得た浦和が手にしたのは、決勝進出という結果だけではない。

 チームとしての戦い方に厚みが生まれ、それが結果を呼び、さらには選手に自信を与えている。

 そんな手応えを確かなものにした、意義ある3試合ではなかったか。

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