横浜F・マリノスの指揮官は「ベストゲーム」と評価。では、なぜ川崎フロンターレ相手につまずいたのか (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 勝敗に関して言えば、スクランブルでどちらに勝利が転がり込んでも不思議ではなかった。王者川崎の背水の覚悟が勝った、とも言えるが、それは結果論の面もある。どちらも死力を尽くした。
 
 しかし、横浜FMが単調な攻撃を続け、疲弊していたのは間違いない。少なくとも、支配するサッカーではなかったし、ベストゲームとも言えないだろう。攻撃陣では唯一、テンポを変えられる水沼を先発から外したことで(途中交代出場のマルコス・ジュニオールも同じタイプだが、今シーズンはやや不振だ)、カウンター一辺倒になった。昨季から提言していることだが、マスカット監督はパワー、スピード中心の攻撃を好む傾向が強すぎる。

「今は終わったばかりで、感情の整理が難しい。明日の朝起きて見えることもあるはずで、落ち着いて分析する」

 マスカット監督は、どんな答えを出すのか。前への強度ばかりに囚われたら、苦しい戦いに巻き込まれるかもしれない。この後は8月10日、13日、18日と、ルヴァンカップ、J1、アジアチャンピオンズリーグと、たて続けに覇権をかけた戦いが続く。

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