水沼貴史が選ぶJ1中盤戦の注目選手ベストイレブン。「数字的に圧倒」「必死さが伝わってくる」期待のGK&DFとは? (2ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

チーム戦術のなかで特徴が引き出されている

常本佳吾(DF/鹿島アントラーズ)

 鹿島は今季から監督がレネ・ヴァイラーに代わって、これまでとは異なるスタイルでチームが改善されています。常本は対人能力が高く、守備能力が非常に評価されている選手ですが、監督交代が彼にとっても大きなポイントになっていると思っています。

 前からどんどんプレッシャーに行くようチームとして改善されていますが、その分カウンターで裏のスペースを狙われるリスクが多くなります。でも常本はそういう場面でも戻れるスピードがあるし、そのスタイルによって対人の強さ、ボール奪取能力といった彼の特徴がうまく引き出されています。

 攻撃面でも、オーバーラップで右サイド深くに入った時のクロスの質が向上しています。駆け上がる回数が増えて、クロスを上げる回数も増えたことで、彼のなかでいいクロスのイメージがどんどん膨らんでいて、それが質の向上につながってきていると思っています。

 右サイドのレーンを上下動するだけでなく、鈴木優磨が右サイドに張っている時は、中へ入っていくこともできるし、SBとしての動き方に幅ができてきて、相手にとってより怖いSBに進化しつつある選手だと思います。

藤井陽也(DF/名古屋グランパス)

 藤井は187cmある高さと、カバーリング能力が特徴の選手だと思います。今季のはじめは4バックシステムのなかで、中谷進之介やチアゴとコンビを組みながらセンターバック(CB)をやっていました。ケガで長期離脱していた丸山祐市が復帰して3バックに変わった時に、中央を任されて彼の特徴がより際立つようになったと思います。

 FC東京戦の時に、相手が攻めに出てきたところをことごとく藤井がカバーリングで潰していました。実況から「そこには藤井!」というキャッチフレーズがつくくらい、常にいいポジショニングからの素早いカバーリングが卓越していました。

 中谷や丸山といった経験豊富な選手がいるなかで、中央を任されるということがすごいと思うし、まだ21歳と若く、これから成長していくなかで対人能力が伸びてくれば、かなり面白いCBになるだろうと思っています。

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