清武弘嗣がいると違う――。好調セレッソ大阪でエースがスーパープレーを見せている (3ページ目)

　清武とともにＣ大阪の中盤を構成する、MF原川力が語る。

「キヨくんに（ボールを）渡したら、一個時間を作れるし、ポイントにもなってくれるし、プレスもはがしてくれるし。キヨくんもどんどんボールに触りたいタイプだと思うので、どんどん（パスを）当てながら、出し入れしながらやっていけたらいいかなと思う」

　積極的な前線の守備から高い位置でボールを奪い、速い攻撃につなげるハツラツとしたサッカーは、確かにＣ大阪の持ち味ではあるのだが、それだけで試合の主導権を握り続けることは難しい。

　背番号10がピッチに立つことでＣ大阪に生まれるリズムは、少々劣勢になったとしても落ち着いて試合を運べる要因となっているに違いない。

　原川は「（清武は）単純にうまいんで。（相手の）逆をとるのもうまいし、（相手が）捕まえにくいようなフリーマンになってもらえる」と言い、こう続ける。

「キヨくんを見ながら、（清武、原川、奥埜の）３人でうまく（パスを）回していれば、誰かがフリーになるという感じでやっている」

　好調な清武に引っ張られるように、Ｃ大阪は直近３試合で３連勝。順位も５位まで上げてきた。ピッチ外ではMF乾貴士の離反問題が発生し、少々騒がしい状況にはあるが、ことピッチ内に関しては、粘り強い守備に象徴されるように、一体感のある戦いを見せている。

　チームのキャプテンでもある清武は、まだまだ課題はあると指摘しつつ、「勝ちながら、いい雰囲気のなかで、一つひとつ修正できたらいい」と前向きな言葉を口にする。

　若手が確かな成長を見せる一方で、エースが相応の貫禄を見せるＣ大阪。

　背番号10のシャッターチャンスが少ないのは、おそらくチーム全体がうまく回っている証拠でもあるのだろう。