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高卒ルーキー・松木玖生がいかにスゴいか。記録的な価値は小野伸二、本田圭佑らを上回る (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 実際、松木同様、高卒ルーキーにしてJ1で開幕スタメンの座を手にし、その後、日本代表や海外クラブで活躍した選手と比較しても、同時期(開幕10試合終了時点)の出場記録は遜色ない。

◆城 彰二 出場7試合(先発6、フル出場6)5ゴール
◆小野伸二 出場10試合(先発10、フル出場9)2ゴール
◆本田圭佑 出場10試合(先発9、フル出場6)1ゴール
◆内田篤人 出場10試合(先発10、フル出場10)1ゴール

 全10試合にフル出場した内田をはじめ、単純な数字の比較で言えば、松木を上回る選手もいるにはいる(ちなみに、城が欠場した3試合は高校選抜のヨーロッパ遠征参加によるものだ)。

 だが、ポジションの違いや、現在のJリーグでは1試合に5人の交代が認められていること、さらには、サッカー自体が質的に変化していることを踏まえると、むしろ松木のほうが記録的な価値は高いと言えるかもしれない。

 いずれにしても、18歳の高卒ルーキーとしては、異例の出場記録であることは間違いない(第10節翌日の4月30日に19歳の誕生日を迎えた)。

 そこには、チームを率いるアルベル監督からの厚い信頼もうかがえる。

 それが垣間見えたのは、リーグ戦9試合目(第2節)の名古屋グランパス戦でのことだ。

「前半はスペースへの飛び出しを狙って、それが得意な選手を起用し、後半は途中から、足元で(ボールを)受けてプレーすることが得意な選手を投入し、(攻撃を)展開したかった」

 試合後、スペイン人指揮官はそう語り、前後半それぞれの攻撃の意図を明かしていたが、松木はこの試合でもフル出場している。

 つまり、松木には相手のコンパクトな守備を広げるため、DFラインの背後へのフリーランニングを繰り返したあと、スペースが空き始めた試合終盤には足元でパスをつなぎ、相手の守備を崩していく。そうしたさまざまなタスクが時間によって要求されたわけだが、それらすべてをこなせるだけの選手だと認められていたということである。

 松木とともにインサイドMFを務める、MF安部柊斗によれば、「(アルベル監督から)僕と松木選手には、裏への飛び出しとか、インテンシティの高いプレーをしてほしいと言われている」とのことだが、その期待に十分応えているということだろう。

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