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「フロンターレは死んでいない」。中村憲剛たちが積み上げたクラブの風土なくして、その言葉は生まれなかった (3ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

アジアでも戦えるという自信

 2018年にリーグ連覇を達成したフロンターレは、2019年にもリーグ3連覇とACL制覇を目標に掲げていた。しかしながら、J1では4位に終わり、ACLではグループステージすら突破できずに終わった。

 クラブとして2度目のチャレンジとなる今季のチーム編成は、まさにその教訓を活かしている。

「2019年もアジアを含めて複数のタイトルを狙いたいという思いもあり、レアンドロ・ダミアン(サントス→)やジェジエウ(アトレチコ・ミネイロ→)と、アジアを勝ち抜くために必要な"高さ"や"強さ"を意識して補強を実施しました。

 結果的には、それが今のチームにとっていい方向に向いているのですが、当時は彼らが馴染むまでに時間がかかり、ACLでは勝ちきれず、リーグでは引き分けが多かった。

 それを踏まえて、近年では守田英正(→サンタ・クララ)、昨夏には三笘薫、田中碧、シーズン終了後には旗手怜央(→セルティック)が移籍しましたが、一方で、それによって橘田健人や宮城天といった若手がぐっと伸びてきてくれたところもありました。

 昨季のACLはラウンド16で蔚山現代にPK戦で負けはしたものの、積み上げてきたこのサッカーでアジアでも戦える、という自信を得ました。

 そのため、今季は大きくテコ入れするのではなく、今までのベースを軸にして、そこにプラスアルファをつけ加えていく方法がいいのではないか。監督とも相談して、そのような結論に至りました」

 過去の経験をヒントに、竹内はフロンターレの成功を導こうとしていた。

(後編につづく)

中村憲剛と小林悠「兄と弟」の11年。話さずとも感覚を共有できる関係

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