稲本潤一「辞める理由がない」。高橋陽一先生からの要求は日韓W杯ゴール後の指差しパフォーマンス (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

---- 稲本選手は現在42歳となりましたが、2年前に現役を続ける理由を聞いた時に「サッカーが好きだから」と言っていました。今もその気持ちが原動力なのでしょうか。

「今もそうですね。やっていて楽しいですし、カテゴリーが下がろうが、どこでやろうが、サッカーが好きな気持ち、楽しい気持ちはまったく消えていないです。まだまだ身体も動きますし、今のところ辞める理由がないんですよね」

---- 同級生の遠藤保仁選手(ジュビロ磐田)や小野伸二選手(北海道コンサドーレ札幌)も、J1の舞台で戦っています。彼らに対してどのような想いを持っていますか。

「まだ現役を続けている選手もいますし、すでに引退してしまった同級生も多いですけど、みんな違う場所で刺激し合いながら頑張っていると思います。みんながやっていることに対して注目していますし、どうしているのかなって、気にはなりますよね」

---- 今も黄金世代の面々とは連絡を取り合ったりしているんですか。

「まあ、そこまで頻繁ではないですけど。ただ、播戸(竜二/2019年引退)はよく連絡してきますね。YouTubeに出てくれって。出ないですけど(笑)」

---- 今年の関東リーグ1部の開幕は4月2日(土)になります。新たな挑戦に向けて、意気込みを聞かせてください。

「個人としては試合に出て、チームの勝利に貢献すること。そのためにここに来たので、試合に出てしっかりと貢献したいと思っています。

 もちろん、試合に出る、出ないにかかわらず、やるべきことはあると思っています。ピッチ外のところでも、チームに役立つことをやっていきたいと思います。何よりJFLに昇格することが一番のミッションなので、そこは必ず成し遂げたいですね」

---- Jリーグに昇格するまで現役を続ける覚悟はありますか。

「最短で2年ですからね。そこは身体とも相談しながらやっていきたいと思っています」

---- ちなみに、高橋陽一先生からは何か要求はありましたか。

「点を入れてくれと言われました。ワールドカップの時のイメージがあるらしく、点を入れて、あれ(自身を指さすポーズ)をやってくれと(笑)。ぜひ、その期待にも応えたいですね」

【profile】
稲本潤一(いなもと・じゅんいち)
1979年9月18日生まれ、大阪府堺市出身。1997年、ガンバ大阪の下部組織からトップチームに昇格し、当時最年少の17歳6カ月でJリーグ初出場を果たす。2001年のアーセナル移籍を皮切りにヨーロッパで9年間プレーしたのち、2010年に川崎フロンターレに加入。その後、北海道コンサドーレ札幌→SC相模原を経て、2022年より関東サッカーリーグ1部・南葛SCに所属する。日本代表として2000年から2010年まで82試合に出場。ポジション=MF。181cm、77kg。

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