2022.02.24

鹿島アントラーズの浮沈のカギを握るJ最高の外国人選手。日本にいるのが不思議なぐらい

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 数年前、Jリーグには、DAZNマネーにあやかるように、世界的に名の知れた選手が集まった時期があった。ルーカス・ポドルスキー、ディエゴ・フォルラン、フェルナンド・トーレス、ダビド・ビジャ......。だが今は昔。それも過去の話になってきた。コロナ禍のこのご時世、致し方ない面もあるとはいえ、外国人枠さえも満たしていないクラブが多数派を占める現状は、残念な限りだ。アンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)が最後の砦のように見える。

 だが何を隠そう、昨季のベスト11(「Sportiva」のアンケート)に、筆者はイニエスタを選ばなかった。Jリーグでプレーする外国人MFのなかで最も活躍した選手。バランスを考えてそれをひとりに絞ろうとしたとき、イニエスタよりこちらだと思わせた選手が存在した。鹿島アントラーズの左利きMF、ディエゴ・ピトゥカである。

 昨季、鹿島は出遅れた。4月11日の北海道コンサドーレ札幌戦に引き分けると、ザーゴ監督は早々と解任の憂き目に遭う。順位も降格圏に迫る15位まで後退。ディエゴ・ピトゥカがサントスから鹿島にやってきたのはその後になる。

来日して2シーズン目となるディエゴ・ピトゥカ(鹿島アントラーズ)来日して2シーズン目となるディエゴ・ピトゥカ(鹿島アントラーズ) この記事に関連する写真を見る  2021年1月、ディエゴ・ピトゥカはサントスの一員としてリベルタドーレス杯決勝を戦っていた。4-3-3のインサイドハーフとしてスタメンを飾り、パルメイラスと白熱した接戦を展開。南米一の座は逃したが、ディエゴ・ピトゥカは選手としての格を上昇させた。次の行き先が、なぜ欧州ではなく日本だったのか。鹿島でプレーする姿を見ていると、ブラジル代表歴が1度もないことにも驚かされた。

 世界的な知名度がけっして高くないブラジル人選手で溢れているJリーグ。ディエゴ・ピトゥカもその一員に含まれるが、欧州の上位クラブで最も通用しそうな、ブラジル人ナンバーワン選手であることも確かだ。29歳という年齢がネックにならなければ、鹿島に何年もいるような選手ではない。ベスト11に選考した一番の理由は、その貴重さにある。

 昨季、4位でフィニッシュした鹿島だが、降格圏付近からジャンプアップした背景を語る時、リーグ戦では5月1日の横浜FC戦からチームに加わったディエゴ・ピトゥカの存在は外せない。