Jリーグで急浮上が見込めるクラブ「ベスト3」。移籍状況が好転する可能性が大

  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

Jリーグ2022開幕特集

今年で30年目のシーズンを迎えるJ1リーグ。各クラブは開幕に向けて精力的にトレーニングを消化している。はたして、今季はどんな戦いが見られるか注目されるが、まずは移籍情報だけで見た、躍進が期待できるチームはどこか。識者3名に「ベスト3」チームを挙げてもらった――。

リカルド・ロドリゲス体制に即した補強を敢行し、さらなる飛躍が期待される浦和レッズリカルド・ロドリゲス体制に即した補強を敢行し、さらなる飛躍が期待される浦和レッズこの記事に関連する写真を見るリカルド監督のチーム作りに沿った
理に適った補強ができている浦和

中山 淳氏(サッカージャーナリスト)

1位=浦和レッズ
 浦和レッズは、リカルド・ロドリゲス体制で一定の成功を収めた昨季の路線をしっかり踏襲しているという点で、実に理にかなった補強ができている。

 引退した阿部勇樹をはじめ、FW興梠慎三(→コンサドーレ札幌)、DF槙野智章(→ヴィッセル神戸)、DF西大伍(→コンサドーレ札幌)、MF宇賀神友弥(→FC岐阜)らを放出して世代交代を進めるなか、指揮官にとって徳島ヴォルティス時代の愛弟子とも言える33歳のMF岩尾憲(徳島→)を獲得。若手を増やすだけでなく、精神的支柱になれる戦力も確保した。

 また、MF松尾佑介(横浜FC→)、DF犬飼智也(鹿島アントラーズ→)といったJ1経験者と、DF知念哲矢(FC琉球→)、MF松崎快(水戸ホーリーホック→)らJ2で結果を残した有望株も、新戦力として確実に選手層を厚くしてくれるはずだ。監督が目指すチーム作りに沿っているという点で、ベストな補強と言っていい。

2位=湘南ベルマーレ
 昨季はギリギリで残留を果たした湘南ベルマーレは、FWウェリントン、FWタリク、GK谷晃生ら多くの主軸をキープすることに成功したうえで、チームの心臓部に実績十分のMF米本拓司(名古屋グランパス→)とMF永木亮太(鹿島→)を獲得。前線にはポリバレント性もあるFW瀬川祐輔(柏レイソル→)を加えるなど、各パーツがスケールアップした印象だ。

 さらに、大卒のDF蓑田広大(法政大→)、高校選手権得点王のFW鈴木章斗(阪南大高→)、スイスのシオンで修行を積んだFW若月大和など、今後の成長を期待できそうな若手も多く新たに加わった。

 例年の傾向から比べると、流出した戦力もほとんどないなかで、これだけの補強ができたことは予想外とも言える。クラブの今季にかける強い意気込みを感じる。

3位=清水エスパルス
 昨季は積極補強を行ないながら、最後まで残留争いに巻き込まれた清水エスパルスも、チームの骨格を残したまま各パーツを戦力アップさせている。

 DFエウシーニョ(→未定)、MF河井陽介(→ファジアーノ岡山)、MF中村慶太(→柏)らを放出したが、GK権田修一、FWチアゴ・サンタナ、MF鈴木唯人ら主力のキープに成功。そのうで、即戦力のMF岸本武流(徳島→)とFW神谷優太(柏→)を獲得し、MF白崎凌兵(鹿島→)も復帰した。

 大卒のDF山原怜音(筑波大→)とFW加藤拓己(早大→)、高卒のMF川谷凪(静岡学園高→)といったルーキーたちが期待どおりの成長を見せてくれれば、チーム内の競争力はさらに高まるはず。全体的に、昨季の反省を踏まえた良質な補強と言える。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る