遠藤保仁がジュビロ磐田への完全移籍を正直に語る――「なんとなくこうなりました」 (2ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa
  • photo by Masashi Hara/Getty Images

 その言葉にもあるとおり、2020年10月に期限付き移籍で磐田に加入してからというもの、遠藤は驚くほどスムーズにチームに適応を見せながらチームの主軸として戦い続けてきた。

 1シーズン目は、加入した時点で12位と苦しんでいた状況もあり、順位を6位に上げるにとどまったが、スタートからフルで戦った昨年は、スタートから試合に絡み、42試合中35試合に出場。試合中のGKとの接触で足首を痛め、約1カ月間、離脱を余儀なくされた以外は、ほぼ全試合で先発のピッチを預かり、勝利の原動力になった。

「自分もコンスタントに試合を戦いながらチームの目標を達成できたという意味で、去年はすごく楽しい一年でした。

 約1カ月の離脱は......ケガでそんなに長く休んだのはプロになって初めてというくらいの出来事だったけど、前のシーズンの約3カ月間でつかんだ手応えもあって、特に不安を感じることもなかったですしね。戻ったらやれるでしょ、早く戻りたいな、くらいにしか思っていなかったし、実際、戦列に復帰してからもある程度、自分のイメージどおりにプレーすることができた。

 何より、それがチームの勝ちにつながったのもよかった。サッカーはチームで戦うものだから、たとえ自分のパフォーマンスがよくてもチームとしての結果が出なければ喜べるものにはならないけど、去年はたくさん勝てたから。その分、"楽しい"につながることも多かったんだと思う」

 事実、昨年の磐田はスタートこそ2連敗と躓いたものの、第14節のザスパクサツ群馬戦から始まった"8連勝"で初めて首位を捉えてからは、コンスタントに勝ち点を重ね、"昇格圏"である2位以内に定着。

 第32節のFC町田ゼルビア戦に勝って、再び首位に躍り出てからは一度もその座を明け渡すことなく、第39節の水戸ホーリーホック戦での勝利によってJ1昇格を確定させる。さらに第41節の群馬戦では引き分けながら勝ち点を積み上げ、最終節を待たずしてJ2リーグ優勝を決めた。

「昇格のキーになったのは終盤戦、上位チームとの直接対決を連勝で乗りきれたこと。栃木SC戦(第34節)、愛媛FC戦(第35節)と下位チームとの試合を2つ続けて引き分けに終わったあと、流れを断ちきって(第36節の)大宮アルディージャ戦から、上位対決を含めて4連勝を飾れたのは大きかったと思う。

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