2022.01.03

歴代最強の大津VSタレント軍団の前橋育英。高校サッカー選手権屈指の好カード の見どころは?

  • 松尾祐希●取材・文 text by Matsuo Yuki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

【サイドの攻防がカギ】

 実際に3回戦でも田原が起点となり、単純にセンタリングを入れるだけではなく、GKとDFの間にアーリークロスを入れる場面が見られた。この形から小林が先制点を奪っており、新たな得点パターンの構築はチームにとってプラスの材料だ。

 今大会は右サイドの高速SB日高華杜が鎖骨の負傷でベンチ外となっているが、その穴を感じさせないほど左サイドの仕掛けが成熟してきた。序盤から左サイドで高い位置が取れれば、先手を取ることは十分に可能だ。

 一方の前橋育英は笠柳と小池がサイド攻撃の軸となる。どちらも単騎で仕掛けられる力があり、クロスとフィニッシュの精度が高い。また、2トップとの関係も良好で、彼らがサイドに流れてきた時は斜めの動きから中に進入して、攻めることもできるのが、強みだ。

 負傷した守屋に代わって投入された高足も、そうしたスペースを作って味方を生かす動きに長けている。

「(高足は)2トップの位置から相方の動きを見て、その裏に走り込める。また、ボールがサイドに流れれば、空いたところにスッと入れる。クロスに対してもセカンドボールがどこに落ちるかを予測できる選手」と山田耕介監督が話すとおり、相手が嫌がる位置で走り込むセンスは前橋育英でもトップクラス。仮に守屋がスタートから起用できなかったとしても、高足の存在が両サイドハーフをさらに生かすかもしれない。

 3回戦では共に守備重視の相手に手を焼き、攻略するまでに時間が掛かった。お互いに守備の強度に定評があるなかで、どちらがサイドの主導権を握るか。先手を取れれば、その後の展開が大きく変わるのは間違いない。

 両チームのベンチワークも含め、サイドの仕掛け合いが勝負を分ける。大津が初の4強入りを勝ち取るのか。それとも前橋育英が優勝した2017年度以来となるベスト4進出を果たすのか。準々決勝は打倒・青森山田に燃える両雄の戦いから目が離せない。

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