欧州の舞台で見たいJリーグの2選手。海外移籍は20代後半からでもいい (2ページ目)
国内にいれば、クラブの主軸として、海外でプレーするよりもある程度の出場時間が確保できるかもしれない。一方で、成功の保証がない欧州に渡るというのは、より競争の激しい厳しい環境に身を投じることでもある。
そして、異なる文化や価値観のなかに身を置くことで、プレー面にしろ、日常生活にしろ、日本にいるだけでは「気づかない」ものが見えてくるはずだ。その「気づき」こそ、選手として、人として成長していく原動力でもある。
海外に移籍するのであれば、若いに越したことはない。将来有望な若手には、10代後半、20代前半で欧州のクラブへ移籍して、その環境に慣れてステップアップを狙って欲しい。ただ、当然そこには個人差がある。10代の有望選手が全員すぐに欧州に行けばいいということにはならない。
たとえば、先に挙げた鳥栖の中野は今年で18歳だが、日本サッカー界が渇望した「世界に通用する左利きの左SB」になりうる逸材だ。しかし、彼の場合はいますぐ海外に行くのではなく、もう少し待ってからでもいいのではないかと考える。身長はこの1年で伸びて173cmになったとはいえ、フィジカル面の強度はまだ足りていないからだ。
フィジカルがまだできあがってないうちに海外に渡れば、屈強な欧州リーグの選手たちとのコンタクトが多くなり、故障の可能性も増す。10代後半から20代前半という選手が最も伸びる大事な時期をケガで棒に振ると、その後のキャリアが大きく変わるだけに、そこのリスク回避も十分考えておく必要があるだろう。
その一方で、年齢を重ねてから海外挑戦して成功するケースもある。遠藤航(シュツットガルト)は25歳でベルギーに渡り、そこからステップアップした。今年からポルトガルのサンタ・クララでプレーしている守田英正も、もうすぐ26歳だ。
彼らふたりの移籍と活躍に照らして考えると、20代後半で海外で成長してもらいたいJリーグの選手のひとりが、FC東京の小川諒也だ。
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