J1月間ベスト11を独自選定。日本代表アタッカーと本領発揮の助っ人たち
スポルティーバ厳選! Jリーグ月間ベストイレブン
J1リーグ、2・3月のベストイレブンを独自選定。今、活躍している選手。見ておくべき注目の選手は誰か。今回はライターの杉山茂樹氏に11人を選んでもらった。
◆ ◆ ◆
首位・川崎からは、4名が選ばれた 川崎フロンターレ、名古屋グランパス、サガン鳥栖。スタートダッシュに成功した上位3チームのなかで、とくに目を惹くのは昨季13位に終わった鳥栖だ。6戦して失点ゼロは、あまりお目にかかれない数字。ゴールを守る朴一圭を、ベストイレブンから外すわけにはいかない。
サイドバック(SB)として選出したのは首位を行く川崎のふたり。旗手怜央と山根視来だ。左SBの旗手は昨季、新人として攻撃的なポジション(インサイドハーフかウイング)でプレーした。SBにコンバートされたのは天皇杯。準決勝のブラウブリッツ秋田戦以降だ。
登里享平が昨季のリーグ戦終盤に大ケガを負い、交代選手である車屋紳太郎も同様に故障で戦列を離れていたことがその理由。窮余の一策としてSBに抜擢されたが、これがハマった格好だ。川崎のサッカーが昨季より進化している要因を、左SB旗手に見てとることができる。
登里のように、縦方向へ直線的に動くわけではない。登里、車屋が左利きの左SBであるのに対し、旗手は右利きの左SBだ。ボールを利き足にセットすれば、縦より内側に進みやすい。その前方で構える三笘薫は、逆にタッチライン際に大きく開いて構える。旗手はつまり三笘を内側からサポートする体勢を取っている。時にはそのままゴール前にも進出する。
川崎の左SBのレギュラーで活躍する旗手(写真左)と、今季も多彩なプレーを見せているC大阪の坂元(同右) かつてのフィリップ・ラーム(ドイツ)を想起させる中盤的な左SB。今日的なSBと言ってもいい。旗手の存在は、川崎の攻撃をいっそう多彩なものにしている。
右の山根は、昨季の活躍で自信を深めたのか、今季はさらにスケールアップした。単独で局面を打開しようとする比率を高めている。A代表選出は当然の帰結だ。しかし、ここは本来ならば別の選手を選びたかったポジションだ。
1 / 3