2020.11.16

マリノスは「悔しい思い」の選手たちが躍動。
ツボにハマればACLも勝てる

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 前年王者はこのまま静かにシーズンを終えるのか。

 昨季、圧倒的な攻撃スタイルで15年ぶりに戴冠した横浜F・マリノスは、今季も優勝候補の一角として新たなシーズンに臨んでいた。

怒涛の超攻撃サッカーで浦和から6ゴールを奪取 ところが開幕戦でガンバ大阪に敗れると、長い中断期間を経て行なわれた第2節以降も結果が伴わない。3連勝と息を吹き返したかと思えば、その後に3連敗を喫するなど、不安定さを露呈した。

 いずれも3得点以上を奪って4連勝を達成した時期には完全復活の予感を漂わせたが、シーズン終盤に入り再び失速。優勝争いどころかACL出場争いにも絡めないまま、今季も残り3試合となった。

 王者としては、あまりにも不甲斐ないシーズンとなっている。過去10年の優勝チームの翌年の成績は次のとおり。

2010年 名古屋グランパス→2位
2011年 柏レイソル→6位
2012年 サンフレッチェ広島→優勝
2013年 サンフレッチェ広島→8位
2014年 ガンバ大阪→2位
2015年 サンフレッチェ広島→6位
2016年 鹿島アントラーズ→2位
2017年 川崎フロンターレ→優勝
2018年 川崎フロンターレ→4位

 2019年の優勝チームである横浜FMは、残り3試合の時点で7位。今のところ2014年の広島(8位)を上回っているが、他チームよりも消化試合数が多いことを考えれば、最終順位はもう少し下がるのではないか。

 もちろん、コロナ禍の変則日程で過去と比較するのはフェアではない。低迷の大きな原因のひとつに、ハードスケジュールがあるのは確かだろう。

 ACL参戦のためにスケジュールが前倒しとなり、中2日、中3日での試合が続いた。横浜FMだけでなく、ACLに出場するほかの2チーム(ヴィッセル神戸、FC東京)も思うように勝ち点を積み上げられないでいる。

 とりわけ横浜FMのサッカーの生命線は、運動量にある。過酷な連戦のなかで走力を保てなかったことが、結果に小さくない影響を与えているだろう。