「久保建英世代」要注目の11人! 目指すは世界トップレベル (9ページ目)

  • 松尾祐希●文 text by Matsuo Yuki
  • photo by Getty Images

圧倒的なスキルで驚きのプレーを見せる、西川潤圧倒的なスキルで驚きのプレーを見せる、西川潤西川潤
(にしかわ・じゅん/FW/セレッソ大阪/180センチ・70キロ/2002年2月21日生まれ)

 圧倒的なスキルでゴールに絡むレフティは面白い。「ボールを持てば何かしてくれる」。そんな雰囲気を持つファンタジスタが、世界を驚かせたのは昨秋のU-17ワールドカップだ。

 オランダとの初戦で1得点2アシスト。とくに若月大和(スイスリーグ、シオン所属/18歳)の2ゴールを演出したスルーパスは、スピード、質ともに申し分のない一級品の技だった。

 横浜FMの下部組織で育った中学時代から注目され、桐光学園高校では1年次から中村俊輔(横浜FC)が背負った10番を任された。2年次のインターハイ準々決勝・富山第一高校戦では衝撃の4人抜き弾を決めるなど、チームの準優勝に貢献。翌年は同大会でリベンジを果たし、チームを初優勝に導いたのは記憶に新しい。

 エリート街道を走ってきたように見える一方で、挫折から何度も這い上がってきた苦労人でもある。冬の高校サッカー選手権では2年次に出場しただけで、それ以外はいずれも予選決勝で敗退。飛び級で出場した昨年のU-20ワールドカップでも、結果を残せなかった。そうした経験をする度に壁を乗り越え、成長を果たしてきた。

 欧州のクラブが興味を示しているなかで、現在C大阪ではプロの壁に当たっているようだが、徐々に出場機会を増やしている。組織のなかで個性を生かす術を模索し、J1での経験がさらなる成長の原動力となるだろう。

 久保建英(ビジャレアル)と並んでこの世代を引っ張ってきたアタッカーは、飛躍の時を見据えて地道に積み重ねていく。

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