フロンターレに大敗もサンフレッチェは強い。上位進出もあると思える理由
勝ったり、負けたり。よくも悪くも、つかみどころのないチームである。
今季J1で9位につける、サンフレッチェ広島のことだ。
これまで15試合を戦い、6勝6敗3分けと完全に五分の星で勝ち点21なのだから、全18クラブの真ん中に位置する現在順位は、妥当な成績ということになるのだろう。
しかしながら、総得点23は、現在2位のセレッソ大阪(総得点25)、同4位の名古屋グランパス(同24)と比べても遜色なく、総失点19はJ1全体で5番目の少なさだ。
各クラブの消化試合数に違いがあるにしても、残している数字から考えれば、広島はトップ5に食い込むくらいの順位にいても不思議はない(成績はすべて第16節終了時点。広島は1試合未消化)。
本当は強いのか、弱いのか。かつて4シーズンで3度のJ1制覇を成し遂げた"元・王者"は、その判断が難しい状態にある。
今季ここまでの戦いを振り返ると、広島にははっきりとした必勝パターンがあることがわかる。それはすなわち、無失点だ。
失点をせずに試合を進めるなかで、FWレアンドロ・ペレイラ(7得点=チーム最多)、FWドウグラス・ヴィエイラ(5得点)などの個人能力を生かす、あるいはセットプレー絡みで効率よく得点を奪う。そうした試合運びで、勝利を手にしてきた。
今季広島が挙げた6勝のうち、5勝が完封勝利。唯一の例外は第15節の清水エスパルス戦(4-1)だが、これにしても、大量リードで試合の大勢が決したあとに1点を失ったものであり、基本的な流れは必勝パターンに当てはまる。
しかも、無失点が勝利の条件とは言っても、ひたすら守りを固めてワンチャンスを生かすような戦い方をしているわけではない。失点を取り返そうと前に出てくる相手の力を利用し、巧みなカウンターで加点するのもまた、広島が得意とするところである。5つの無失点勝利の中に1-0のスコアがひとつしかないことが、その証拠だ。
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