Jを席巻する韓国人GKに代わって、
若手日本人GKが台頭し始めた理由
突如として、しかも急激に、日本人GKの若返りが進行している。
今季J1に見られる意外な現象だ。
J1各クラブでは近年、GKを外国人選手に頼る傾向が強まっていた。昨季J1の全18クラブで主戦GKが外国人選手だったのは、8クラブ。なかでも、韓国人GKが目立つというのが、このところの顕著な傾向だった。
プロの競争である以上、実力の世界であるべきだ。日本人であろうと、外国人であろうと、力のあるものがポジションを勝ち取る。それは当然のことではある。
しかし、あまりに日本人GKが劣勢を強いられてしまうと、事態は深刻だ。極端なことを言えば、日本代表の正GKが所属クラブでは控えGK、などという異常事態も起こりうるからだ。
湘南ベルマーレのGK谷晃生 そんななか、今季J1で起きている"流行"が、若手GKの台頭である。
ベガルタ仙台の小畑裕馬(18歳)、鹿島アントラーズの沖悠哉(21歳)、湘南ベルマーレの谷晃生(19歳)、清水エスパルスの梅田透吾(20歳)と、今季J1デビューを果たしたばかりの20歳前後のGKが、試合出場を重ねている。
現段階で正GKの座を手にした感のある沖と谷を除くと、彼らの立場はまだまだ流動的ではある。必ずしも全員がポジションをつかみ取っているわけではない。
しかし、そうだとしても、経験が重要と言われるGKにおいて、これほど若いGKが相次いで台頭してくるのは珍しい。
すでに昨季から所属クラブで正GKを務めている、サンフレッチェ広島の大迫敬介(21歳)、サガン鳥栖の高丘陽平(24歳)などを加えれば、若手GKの勢力はさらに拡大する。過去に例がないほどの大きなうねりが、今季J1に起きているのである。
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