清水エスパルスの魅力ある冒険。
信念を貫いて王者のスタイルに挑む

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

◆ピーター・クラモフスキー監督インタビュー>>

 J1第8節を終え、1勝5敗2分けの勝ち点5で16位。2020年シーズンの清水エスパルスは、開幕戦から5連敗と、スタートで大きく出遅れたと言わざるを得ない。

 とはいえ、最近3試合は1勝2分けと負けなし。数字の上からは、少しずつだが、状況が改善されている様子はうかがえる。

 今季の清水は、新たなスタイルのサッカーに取り組んでいる。簡単に説明すれば、徹底してボールを保持し、相手を押し込むサッカー。もっとわかりやすく言うなら、横浜F・マリノスがJ1を制したサッカーだ。

 そもそも、昨季まで横浜FMでヘッドコーチを務めていたピーター・クラモフスキー監督が、今季から新たに清水の指揮を執っているのである。横浜FMのサッカーを参考にするとか、真似するとかいうより、そのものを移植するという表現のほうが適当なのかもしれない。

新たなスタイルのサッカーに挑戦している清水エスパルス新たなスタイルのサッカーに挑戦している清水エスパルス 清水が新たなスタイルに取り組んでいることは、今季最初の公式戦(ルヴァンカップのグループリーグ第1節)からはっきりと見て取れた。

 同様のスタイルを、すでに先んじて物にしている川崎フロンターレを相手にしても、臆することなくパスをつなぎ、ときに川崎のお株を奪うようなパスワークで攻め入った。結果的に1−5と大敗を喫したが、"所信表明"としては悪くない試合だった。

 その後も、すでに冒頭にも記したとおり、結果にこそ直結はしていないが、目指すサッカーに向かって迷うことなく進んでいる印象は強い。

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