2020.07.29

たった6試合で帰国したルイゾンの
言い分。「まっちゃん、元気かな」

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 当時覚えている選手はいるかと問うと、こんな答えが返ってきた。

「みんな優秀だったけど、GK(楢﨑正剛)はうまかったね。それからまだほんの少年だった本田圭佑もいた。若かったけど、何か光るものを持っていた。まさか彼がボタフォゴでプレーするようになるなんて、当時は想像もしてなかったけどね」

 そして、彼がどうしても感謝したい人がひとりいるという。

「ホペイロをしていた"まっちゃん"だ、彼は本当にいい人で、すごくお世話になった。もしこれが日本のメディアに載るなら、この場を借りてお礼をしたいね」

 ブラジル人は国を出ると、故郷にどうしようもないサウダージ(郷愁)を感じるものだが、ルイゾンは今、その逆を感じているという。

「俺は日本に対して時にサウダージを感じる。ほんの少ししかいなかったけど、日本のことはいつも頭の片隅にあるよ」

 2010年に選手を引退した後、彼はデコと一緒に選手に関連するエージェントをしている。多くのスター選手が引退後、苦境に立っているのを尻目に、なかなか羽振りがよさそうだ。抜け目のない世渡り上手な性格は、今でも健在のようである。

ルイゾン
本名ルイス・カルロス・ボンボナート・グラール。1975年11月14日生まれ。グアラニ、パルメイラス、ヘルタ・ベルリン(ドイツ)、サンパウロなどを経て、2005年、名古屋グランパス入り。その後サントスなどを経て2006年に現役を引退。ブラジル代表では2002年W杯で2試合に出場している。

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