2020.05.10

ネルシーニョ率いる柏レイソルの魅力。
啓示的なのは2013年の戦い

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

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第4回:2013年の柏レイソル

 昨シーズン、J2に降格した柏レイソルは、かつて栄光の時代を作ったネルシーニョ監督を招聘した。

 派手な戦いはしていない。前半戦は、勝ち切れない試合を続けた。しかし選手は次第にプレーをフィットさせ、MF三原雅俊、FW江坂任などは成長を示し、J1昇格を果たしている。

「人に強く(いけ)」

 ネルシーニョ監督は、念仏のように言い続けていたという。「局面での勝利によって、全体で勝利する」――その真理を貫くのみで、流行の戦術メソッドなど目もくれていない。

 1対1における強度をひたすら高め、厳しい姿勢で甘えを許さなかった。得点したブラジル人も、守備をさぼると叱りつけた。その徹底ぶりが戦闘力を高め、ケニア代表FWオルンガのような選手のポテンシャルを引き出したのだ。

 今シーズン、ネルシーニョに率いられた柏は、J1でどんな戦いを見せるのか?

 2013年、ナビスコカップ(現ルヴァンカップ)を制した"ネルシーニョ柏"の戦いは、啓示的と言えるだろう。

「(2013年の)ネルシーニョのチームはまず、"相手のよさを消す"というのがありました。守備のところで、決してやらせない。でも、ポゼッションをしていなかったわけではないんです。2011年のクラブW杯(準決勝)では、サントス(ブラジル)よりもポゼッション率は高かったくらいなんで」

 柏在籍18年目になるMF大谷秀和は、そう説明している。