コロナ後のサッカー観戦はどう変わる?5G活用と客席高級化の可能性 (4ページ目)

  • 鈴木智之●取材・文 text by Suzuki Tomoyuki
  • photo by AFLO

 すでに、5Gでスポーツ中継が行なわれている団体もある。5月5日に開幕した韓国のプロ野球は無観客で開幕戦が行われたが、5G技術を活用した放送や、スタジアム内のスコアボードにファンが応援する動画を投影したと報じられている。NBAでは、2019年7月、八村塁が所属するワシントン・ウィザーズとアトランタ・ホークスの試合で、5Gを使ったスマートフォンで試合が中継された。通常のテレビカメラとは違ったデバイスで撮影することで、コートサイドにいるかのような臨場感を味わうことができた。

 さらにオーストラリアでは、Jリーグの放映権も保有する『Optus Sport』が、昨シーズンより、プレミアリーグの中継を5Gで行なっている。このように、インターネットを通じた観戦体験が加速していくのは間違いないだろう。

 一方で、「スポーツを現場で見たいニーズは一定数あるので、『現場で観戦するVIPと、テレビ視聴で楽しむ、その他多くの人たち』という二極化が進むのではないでしょうか」と述べるのは、同社の宮下和之氏だ。

「それならば、今からつくるスタジアムは数万人規模ではなく、数千人、もしくは数百人のVIPに向けたものでもいいのではないかという議論が出てくると思います。限られた人数で、コロナウイルスの心配もなく、安全かつ快適に現地観戦できるのであれば、プレミア価格を払う顧客は一定数いると思います。スタジアムの収益性を考えると、そのほうがよいと言えます」

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