柏を優勝に導いた王様。レアンドロ・ドミンゲスの圧倒的攻撃力 (2ページ目)

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

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 そのプレーぶりは、まさにフィールドの王様だった。多彩かつ精度の高いキックを駆使しながら、神出鬼没な動きでライン間に顔を出したかと思えば、すかさず魔法のようなボールタッチから正確無比のパス供給でチャンスを構築。幾度となくネットを揺らした直接フリーキックも大きな武器ではあったが、それ以上に光っていたのが、空からフィールド全体を把握しているかのような視野の広さだった。

 それでいて、スピードとデュエルの強さに加え、ドリブルやシュートのクオリティも高く、一般的な司令塔のイメージよりもアタッカー的なタイプだったことが、相手にとってはやっかいだった。一瞬でも目を離せば、あっという間にディフェンスラインを壊滅状態に追いやられるからだ。

 また、レアンドロ・ドミンゲスの功績として見落とせないのが、伸び盛りの若手選手たちをピッチ上で一人前に育て上げたことだろう。とりわけ、そのシーズンのベストヤングプレーヤー賞を受賞した右サイドバックの酒井宏樹(マルセイユ)の急成長は、レアンドロ・ドミンゲスの存在なくして語れない。

 のちに酒井が得意とした「前線にボールを預けてからの攻撃参加」は、そのタイミングといいアングルといい、レアンドロ・ドミンゲスのレッスンによって手に入れた大きな武器と言っても過言ではないだろう。

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