2020.01.09

40歳の守護神・南雄太が振り返る。
横浜FC、13年ぶりJ1復帰の舞台裏

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFLO SPORT

「自分ではじいたところを、(相手に)つめられているので、あれは忘れられないですね。(得点を決めた)ドウグラスがスタンドに飛び込んでいく姿や、GKの上福元(直人)や選手たちが抱き合っている姿。そのシーンは頭から離れませんでしたよ」

 横浜FCのGK南雄太(40歳)はそう言って、2018年シーズンのプレーオフを振り返っている

 横浜FCはこの年、3位で昇格プレーオフに進出。東京ヴェルディを相手に、引き分けでも次ラウンドに進むことができた。だが、アディショナルタイム6分だった。コーナーキックを、ゴール前に上がっていた敵GKに合わせられ、そのこぼれ球をFWに押し込まれて、失点を喫した。

「今シーズン(2019年シーズン)も、ことあるごとに思い出しました。とくに序盤は、呪いのようにアディショナルタイムに失点していたので。ヴェルディ戦から始まったトラウマだなって」

 南は自嘲気味に笑い、こう続けた。

「(最終節で愛媛FCに)勝った瞬間、昇格が決まって、すべて払拭できた気がしました。もしあのままだったら、引退しても覚えていたでしょうね。間違いなく」

 昇格には人生を左右するだけのドラマがあるのだ。

最終節で愛媛FCを破り、J1昇格を決めた横浜FCの南雄太 2019シーズンの横浜FCは苦難のスタートを切った。第13節まで4勝3分け6敗と負け越し。昨シーズンからチームを率いていたブラジル人監督、タヴァレスは成績不振で解任されることになった。

 下平隆宏監督が就任してからは、徐々にチームの調子は上向いた。自由で放任に近い指導から、相手のプレーを研究したうえでのトレーニングに変更。ウィークデーは相手の戦いに応じ、丁寧にラインを設定し、徹底的にポジションを確認した。

 チームはポゼッションにかじを切ったが、ビルドアップの練習は緻密だった。相手の陣形が1トップ2シャドーか、2トップか、そしてどのようにプレスするかを想定。それを回避するべく、ボールを動かした。そのトレーニングを重ねるなか、お互いの距離感がよくなって、ポジション的優位を取れるようにもなったのだ。

「(中盤まで)クリアに入れ」