2019.12.29

差がついたヴェルディとF・マリノス。
永井秀樹は「本当悔しいよね」

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

―― 今の悩みを挙げるとすれば?

 今の一番の悩みは、ストレスの解消法がわからない。「オフの日ぐらい、サッカーのことを考えずにリラックスしたほうがいいんじゃないですか」と言われるけど、それができれば苦労はしない(笑)。オフの日ほど、より考えてしまうよね。

トップチームに昇格したユース時代の教え子である山本理仁トップチームに昇格したユース時代の教え子である山本理仁 ――ここから先、どういうチームにしていきたいか。それに必要なことは何か。

 J1がヴェルディの本来いるべき場所だと思っているし、なおかつ、いるだけではなくて常勝軍団を目指したい。でも夢だけ語っていても仕方ない。本当にJ1に戻るためには何が必要で何をしなければいけないかということは、トップチームだけではなくて、ジュニア、ジュニアユース、ユースと、各年代の育成からしっかりと考えていかないと難しい。

 2010年のバルセロナが今のところ、自分の考える最高のチーム。ただし、あのバルサでも理想にたどり着くまでに10年かかった。1年1年が勝負だし、結果を残せなければ、監督としての自分の立場も保証されないこともわかっている。それでもクラブの未来を思えば、長期のビジョンとプランを持ってやらないといけない。

――10年後、指導者としてどんな自分でありたいか。

 ヴェルディの未来について、5年後、10年後、こうあってほしいという絵は描けるけど、自分自身の将来についてとなると、今はまったく想像がつかない。ただぼんやりと、世界で勝負してみたい、という気持ちはある。サッカー人としてずっと変わらないのは、日本のサッカーを世界にアピールしたい、という気持ち。日本人ならではの、世界で勝負できるサッカーを作り上げたい、という気持ちは、ずっと持ち続けると思う。

 尊敬する人生の師である、大嶺(實清)先生に弟子入りして陶芸家にならない限りは、それ以外の道はない(笑)。「日本サッカーをよくしたい」という、自分のサッカー人としての根底にある思いとどう向き合うか、どう関わるかはわからないけれど、日本サッカーをよくするための追求、世界で勝負できたらと思う。でも、今はヴェルディを再建することで頭の中はいっぱいかな。

 こう話す永井の視線は、しっかりと前を見据えていた。

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