2019.12.12

「ネクスト久保建英」はいるか。
J3で真剣勝負に挑む金の卵たち

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Masashi Hara/Getty Images

「高校生年代の選手は、本当にわずかな間で劇的に変わりますね」

 今シーズン、FC東京U-23を率いた長澤徹監督は、心情を込めてそう語っている。

 今や日本サッカーを代表するスター、久保建英(マジョルカ、18歳)は、15~17歳をFC東京U-23で過ごした。バルセロナから帰国した当時は騒がれたものの、16歳の時は大人のプロ選手の中で埋もれていた。17歳になった当初も、違いを示すことはできていなかった。横浜F・マリノスに期限付き移籍するなどしたが、むしろひ弱さのほうが目立っていた。

 ところが今年2月に開幕したJリーグでは、トップチームで先発をつかむ。シーズンオフで見違えるような変化を遂げていた。FC東京の選手が再会した時、別人のようだったという。

「すでに欧州移籍する前の堂安(律)に匹敵する」
 
 序盤戦で、長谷川健太監督が太鼓判を押すほどの変身ぶりだ。

 GWが終わるころ、久保は首位を走るFC東京で主力というよりエースになっている。しかし、彼は少しも止まっていない。18歳になるのと同時にレアル・マドリードへ移籍。期限付き移籍したマジョルカで出場時間を増やしながら、早くも攻撃の中心となっている。先日のカンプノウでの”古巣”バルセロナ戦では、勲章とも言えるブーイングを浴びた。たった1年足らずで、久保は世界で認められる選手になったのだ。

 次の久保、堂安は誰になるのか?

どことなく風貌も久保建英に似ている16歳のMF中村仁郎(ガンバ大阪U-23) 12月、駒沢オリンピック公園総合運動陸上競技場。2019年J3リーグ最終節は、FC東京U-23とガンバ大阪U-23の戦いになった。東西で、有力な若手を輩出しているチーム同士だ。

 FC東京U-23は、久保にとってはサッカーを鍛えられる場所になった。3部とはいっても、大人と対戦する意味は大きい。ユースとは違う、したたかさや強さが要求されるからだ。

「チームのために、効率よく、リスクマネジメントを怠らず」
 
 FC東京の選手はそうした実直なキャラクターが顕著に出る。考えて行動すると言えばいいだろう。久保は別格だとしても、日本代表の橋本拳人など、ディフェンシブなポジションで成功する選手を数多く輩出しているのが特徴的だろう。来季も、センターバックの木村誠二、左サイドバックのバングーナガンデ佳史扶(カシーフ)のトップ昇格が決定済みだ。