優勝を争うFC東京と崖っぷち磐田の差。一瞬のスキが勝敗を分けた

  • 渡辺達也●文 text by Watanabe Tatsuya
  • photo by KYODO

 J1リーグ第31節。最下位に沈むジュビロ磐田がホームに、初優勝を目指すFC東京を迎えた。お互いに目標は違うが、残留するため、そして優勝するために、勝ち点3がほしい試合だ。

 最初にチャンスを作ったのは磐田だった。前半2分、右からのクロスにアダイウトンがヘッドで飛び込むが、シュートは左にそれる。その後も磐田はFC東京を左右に揺さぶり、徹底してサイドから攻めて主導権を握る。

 その後、徐々にFC東京が中盤を制すようになり、前半15分、東慶悟の左からの折り返しを永井謙佑が反転してシュート。これはDF藤田義明にブロックされる。前半24分、FC東京にアクシデントが起きる。ルキアンと接触した渡辺剛が左足首を負傷し、岡崎慎と交代する。前半30分、室屋成の右からの折り返しを、中央でフリーのディエゴ・オリヴェイラがシュート。これは磐田GK八田直樹の好セーブに防がれる。

 前半の終盤になると、磐田が立て続けにチャンスを作る。42分に、右サイドからアダイウトンの縦パスを受けたルキアンが反転してシュート。これはFC東京GK林彰洋に阻まれる。さらに後半44分、左からの折り返しのセカンドボールを松本昌也がボレーシュート。これも林のフィンセーブに阻まれ、0-0で前半を折り返した。

首位奪還のFC東京と崖っぷちの磐田。勝敗を分けた一瞬のスキ首位奪還のFC東京と崖っぷちの磐田。勝敗を分けた一瞬のスキ 試合は後半早々に動いた。後半6分のFC東京の攻撃。橋本拳人のパスに反応した室屋がペナルティエリア内に走込み、切り返したところを、藤川虎太朗に倒されてPKを得る。これをディエゴ・オリヴェイラが冷静に決め、FC東京が先制する。

 どうしても勝ち点3がほしい磐田は、後半13分に藤川に代えて大久保嘉人を投入し、アダイウトンを左サイドに置いた。さらに後半21分には松本に代えて荒木大吾を投入して右サイドに置き、両サイドから崩して中央の大久保、ルキアンで勝負に出た。すると後半27分、DF大井健太郎のロングパスを受けた大久保がエリア内でシュートするが、クロスバーに嫌われる。終盤には大井を前線に上げて勝負に出るが、FC東京の守備を最後まで崩せなかった。

 この日、鹿島アントラーズが川崎フロンターレに敗れたため、FC東京は首位に返り咲いた。一方、残留を目指す磐田にとっては痛い敗戦となった。

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